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上空から降り注ぐ刃は、途切れる事なく降り注いでいて、地面にザックザックと深い傷をつけている。

敵の攻撃は、真上からではなく斜めに降り注いでいる。

そして逃げる方向によって、攻撃の方向が変わっている。

可能性としては術者が複数人いるのか、もしくは術者が手練れでその都度攻撃方向を変えているのか。

おそらくは前者だろうと思う。

攻撃自体途切れる事が無いし、降り注ぐ方向によって攻撃力に若干のムラがある。

何より自身から離れた場所から発動させるのは中々難しい。

魔法はイメージが一番重要だ。

どうしても自分の正面や掌から発動するのをイメージした方がやり易い。

魔法を途切れさせる事無く、多方向から攻撃する、というのはかなりの手練れでないと難しい。

だから複数人居ると判断した。

そしてそれを検証させる為に、建物の近くに移動する。

左斜めから攻撃が来た。

その攻撃を避け、攻撃が来た方向に走る。

降り注ぐ角度がどんどん鋭角になる。

一定の所まで来ると、今度は背後から攻撃が来た。

やはり術者は複数いると見て良いだろう。

少なくともさっきまで居た場所の建物に一人、今向かっている方向の建物に一人。

おそらくはまだ二、三人居るはず。


「さてどうしたもんかねー」


咥えていた煙草をペッ、と吐き出して呟く。

呟いても良い案なんて出てくるわけも無いのだが。


まぁここは、脳筋らしく力押しで行ってみるかね。


そう思って目星をつけていた建物に向かってダッシュする。

攻撃が正面から後方に変わる。

予想通り。ジグザグに走って的をずらす。

一、二発当たっても死ぬ事はないだろうが痛そうだ。


最後の町だし、どうせ殺るなら派手に行きますか。


「発気揚々、残った!」


全力で建物に向かってぶちかましをくらわせる。

爆発する様な音と共に、脆い壁はあっさりと崩れた。

そしてそのまま残りの壁や建物に向かってラリアットをかます。

衝撃とバランスに耐えられず、ガラガラミシミシと嫌な音と共に建物が傾き崩れ出す。

上の階から悲鳴が聞こえた。


やっぱり居た。


ドォン、とどでかい音と共に建物が潰れ、土煙で辺りの視界が一気に悪くなる。

この時俺はまだ、建物の中に居た。

上から木材や石材がガラガラと降ってくるが、身体硬化してあるので大して痛くもない。

全部潰れてしまって、視界が開けてくる。

それと同時にあれだけうるさかった音も、すっかりと静かになった。

そしてその代わりに、呻き声が耳に入ってきた。


そこに向かい、屋根だったであろう木材を持ち上げると、ベージュ色の外套を纏った男が、横向きに倒れていた。


「みーつけた」


声色は楽しそうに。

でもこの男は、ビクリと震えると、怯えるようにこちらを見上げてきた。


「初めまして。サヨウナラ」


男の頭を踏み砕く。

グシャリ、というここ数週間で、随分と聞きなれた音が辺りに響いた。


「まずは一人目。後何人かなぁ?!」


挑発の意味も込めて、あえて大きな声で言うと、返答の意味があったのか、もしくは頭に血が上ったのか、今までにない勢いで刃が降り注いできた。

敵は複数人で間違いない。

そして攻略法がわかれば片付けるのは容易い。

また攻撃が飛んで来た方向に向かってダッシュし、建物に攻撃する。

術者を探してストンピング。

これだけで事足りた。

隠れていたのは殺した奴を含めると全部で五人。

全員が目立たない外套を纏った風の術者だった。


「お前らの事、教えてくれる?」


最後の五人目の胸ぐらを掴み、無理矢理立たせる。

短髪髭面の、なかなかシブい顔立ちをした男だった。


「テメェ滅茶苦茶だなぁ」


声までシブい。

腹に響く良い声だ。

男が咳き込みながら、良い声で軽口を叩いてきた。

今までの奴の中で一番根性がある様だ。

この状況で軽口を叩くのは中々出来ないと思う。


「褒め言葉として受け取っておくよ。で、もちろん教えてくれるよな?」


男がニヤリと笑った。


「誰が教えるかクソ野郎」


ゾッと、悪寒が走る。

今まで感じた事が無いくらい強烈な嫌な予感。

そしてその予感は的中した。

突如として、自分達を中心に鎌鼬が舞い踊る。


「クソッタレが!」


自爆かよ!


掴んでいた胸ぐらを突き放して距離を取ろうとする。

しかしそれよりも早く、無色の刃が二人の中心から外に広が、男諸共切り刻もうとする。


これはヤバイやつだ。

本気でヤバイやつだ。

下手すりゃ首が飛ぶやつだ。


全力で硬化と自動回復をかけて、少しでも被害を少なくする為に体を丸め、両手で顔と首をガードする。

腕の隙間から見える男は、自身の風に切り刻まれながらもニヤリとした笑顔を貼り付けていた。


すみませんが、またちょっと休みます。


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