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男の顔が強張ってからの動きはなかなかスムーズなものだった。


男が腰に差しているであろう武器に手を伸ばす。

随分と手慣れている。

だが遅い。

獲物を掴んで、振りかぶって、攻撃する、の三つのアクションはこの場合は悪手かなと思う。


拳は握らずにスピード重視の左ジャブを一発。

狙いは男の目。

取り敢えず当たればいい。

パン、という音と共に男が一瞬怯む。

これで隙は十分。


鳩尾に向けて前蹴りを一発。

命中、男が膝をつく。


所詮、荒事に慣れているとはいえ素人か。

魔法を使うまでも無かった。


とはいえ、此処は昼下がりの公園だ。

当然人目もある。


「おじさん大丈夫ですかー?何?気持ち悪い?あぁ、それは大変ですねー。私が肩を貸しますよいやいや気にしないでください」


そんな事を言いながら、一気に町の外まで連れて行った。
















人目につかない所、というか町に入る前に景色を眺めていた丘で適当に踏んで押さえつけた。

煙草に火をつけて、深く紫煙を吸い込む。

シュウ、と細く紫煙を吐き出し終わってから、尋問を始める為に口を開いた。


「んで、お前らの人数は?」


だんまりか。

まぁそりゃあそうだろう。

ぽんぽん口を割っていたら仲間から消されるだろうしな。

だから、指を掴んでポキンと骨を折る。

男が悲鳴をあげた。


「答えるか?」


無言。

まだまだ根性がある。

でも、


「指はあと19本残っているの、わかってるのかい?」


そう言って、五秒置きに骨を折っていく。

途中から悲鳴混じりで「五十六人だ!」と聞こえた気がしたが、無視して骨を折っていく。

指の骨を全部折り終わった時には、男の声は枯れていた。

叫び過ぎたのだろう。

嫌な匂いもする。

どうせ失禁したんだろう。

根性が無いな。

……さて、次の質問の時間だ。


「この町にお前ら以外のゴロツキはいるかい?」


「……いない」


かすれた声でそう答えてきた。

今度は膝を踏み砕く。

男が絶叫をあげた。


「本当だって!この町は俺達が牛耳っている!俺ら以外にこの町で活動すればすぐに殺してるから!」


そうか、ならちょっとガラの悪い善良な市民Aを巻き込む事もないか。

何よりの朗報だ。


「この町の責任者の名前と特徴は?」


「……ルーザー……金髪の……冷たい目をした……大男……」


聞きたい質問はこんな物かな?


そう思って、男の拘束を解いてやる。

男は声には出さないが、大きく息を吐いた。

おそらく安心したのだろう。


「そっかそっか、よーくわかった。お疲れさん。じゃあな」


「え?」


そう言って、強化したストンピングで男の胸を踏み潰した。















一仕事終えての一服はまた格別。

それにしてもこの丘から見る景色はいい景色だ。

今度同じ様な景色をウォルグリーン領で探してユリアとデートに行こう。


そんな事を思いながらモフモフと紫煙を吐き出す。

あと二、三人同じ質問をして、同じ答えが返ってきたら間違い無いだろう。


そう思って次の獲物を探しに出かけた。


この場合は鬼ごっこ?それともかくれんぼかな?

まあどちらでも良いか。

結局鬼役は俺だ。

まさに適役かな?


……青鬼からは逃げららねぇぞー。





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