閑話、夜の営み、深夜の食事、出来ちゃった
「んっ、……ニックさんからきいたわよ?……ふっ、……貴方、縁談断ったんですって?」
「あぁ、断った。お前がいれば良いだろ」
「ふふっ、……ありがとう」
「その分、今日は愉しませてくれよな」
「ふぁっ、……もう、……仕方ないわね……。元娼婦、舐めたらいけないわよ?」
「おぉ、怖っ」
「足腰立たなくしてあげる」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるふおっ⁈」
「ンフフフフフフフ」
「いやっ、ちょっ、タンマ」
「いーや」
「ちょっ、おふっ!」
「ンフフフフフフフフ」
「なにその笑い方怖いんだけどちょぉっ⁈」
「ンフフフフフフフフ」
「ちょっ!まっ!えぇっ⁈」
「ンフフフフフフフフ、覚悟なさい」
「うん、不味い」
ドサリ、と音を立てて男が横たわる。
人相の悪い、おそらくはこの世に不必要そうな男。
たとえここに放置して、この後誰かに殺されても人の営みに支障は無いだろう。
「やっぱり女の方が美味いな」
そう言って上を見上げる。
綺麗な満月と目が合った。
「出来れば若い女」
喉が乾く。
やはり娯楽とはいえ、美味いに越したことはない。
「明日は場所を変えてみるか」
良い女がいると良いな。
「ねぇ」
「どうした?」
「私ね」
「うん?」
「出来ちゃったみたい」
「……何がだ?」
「……鈍感ね」
「……すまない、生まれつきなんだ」
「……まったくもう。……赤ちゃん」
「……おぉぅ」
「……あれ?どうしたの?おーい?……えいっ!」
バチン!
「……おぉぅ。……そうか」
「……それだけ?」
「……おめでとう……で良いのか?」
「……ちょっと他人行儀すぎない?」
「……あぁ、そうか。……ありがとう」
「こちらこそ……ありがとう」