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恋心を抱きながら

 月曜日、田沢湖がさえりの独白をうけてから2日後の練習。今日は、先生が2人とも練習に来ない。

 「島護さん!!」

田沢湖が見夜の練習相手をしていると、田沢湖の後ろで島護が困っていた。

「私にスマッシュ教えてください!」

夢々子が、島護にスマッシュ練習をせがんでいた。

「いや、けど、俺は今日太郎と練習すんだけど…。」

「お願いします!!」

「んじゃ、20分だけ…。」

 島護の得意技は、その長い腕から繰り出される、日村先生でさえ唸る「殺人スマッシュ」である。実際、これを喰らうと恐怖で自分のプレーができない。一度、殺人スマッシュが勢い余ってアウトになり、田沢湖の喉仏にまともに当たった。田沢湖はしばらく声を出せなかったという。呼吸も苦しかったらしい。

 「なんであんなにスマッシュしたがってるんでしょうね。」

見夜が聞いてくる。

「さぁ…。練習に目覚めた、てだけだったらいいんだけど…。」

(なんか、単に練習に目覚めたって訳じゃ無さそうだ…。)田沢湖の勘は、大体当たる。

 

 話は、昨日の昼間にさかのぼる。

 夢々子は、ふて寝していた。(むぅ…。さえりさん、なんで田沢湖さんと一緒に歩いてんの…。私も、田沢湖さん好きなのに。そもそも、私にはさえりさんに勝てるものあったっけ…??成績は…さえりさん学年でトップ10だから勝てるわけないし。胸の大きさ…さえりさん小さい方だけど最近大きくなってるからな…。私未だに成長しないのはなぜ?どうしたら大きくなるの…??勝てるもの…勝てるもの……無くね?あ、あった!卓球ならなんとかなるかもしれない!あの人…スマッシュとるの苦手だったはず…!!スマッシュで、ぶっ飛ばしてやる!)


 スマッシュ練習を終えた夢々子が、田沢湖の方にやって来た。

「田沢湖さん!試しにスマッシュ受けてみて下さい!!」

「え、あぁ…んじゃ練習残り時間少ないから最後までやろっか。」

「はい!!」

夢々子の大きな輝く目が、さらにさらに輝いた。

 一方、見夜は内心舌打ちをする。(えぇぇ……。最後まで田沢湖さんと練習したかったな。楽しいのに、田沢湖さんとの練習。)


 そして、練習が終わる。女子たちが、各々恋心を抱きながら。

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