表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

第4話 距離

今日も、彼から電話がこない。


半年たってもまだ私は彼から抜け出せていなかった。

もう連絡がとれなくなって1週間。


さすがにこんな事が今までなかった。

私が嫌で電話に出ないのか?


着信拒否?


嫌の事だけは頭をよぎる。

このまま彼の声さえ聞けなくなったらどうしよう…。


それだけで涙が溢れた。





今までの罰なのか?


私は彼に出会うまで恋愛・結婚において私はどこか他人事で

どうでもよかった。




父と母の冷め切った関係に幼い頃から

家の中が嫌いだった。



度重なる父の暴力。

泣く母…。



他人が外から見ただけでは決して想像もつかない現状だった。

家が怖かった。


だから幼いとき

{結婚なんてするものか!}

{好きになったら負けだ!}


と思って生きていたのだ。


今の私は完全に負けている。




私の壁をどんどん破る彼。




その日の夜11時。

私の携帯がピンクに光った。


「もしもし!」


勢いよく電話を取る。

「おぅ!」


拍子抜けする慎太郎の声。



私は張り詰めたこもが切れたように泣いた。



「どうしてん!!」

驚く彼の声。



「私は一日のほとんどがシン君で出来てるの。

 だから、慎君にとってはなんともない時間でも私は不安で

 生きた心地がしなかった。」



「私みたいに一日中じゃなくても私の事は全然どうでもいいの?」


「私の事が慎君の頭に浮かぶ事はないの?」




私が初めて彼に自分の意見を言った気がした。

それと同時に{俺はないな。}

と私を離して欲しかった。



でも彼は時間を置いてから

「浮かぶよ。」



と言った。




離れようとしても、しても

彼から抜け出さないバカな私…。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ