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幸せですか?

作者: 蒼空


 君は今、笑ってる。


 君は今、幸せですか?








 頭の良い君。

 からかってくる君。

 優しい君。



 それを好きだと思ったのは、"友達"としてでした。優しくて意地悪な君は、誰とでも仲良く話せる人でした。頼りになって話が合うお兄ちゃんでした。

 私は少し背伸びしながら君についていってたけれど、知らないことを教えてくれて、騒いで、時にはお互いに恋の話をして。

 彼氏が出来て悩んだり、勉強で落ち込んだときは、ふざけながらも真剣に相談に乗ってくれました。





 いつからか、ずっと自分だけにその笑顔をしていてほしいと思いました。ずっと、誰のところにも行かないでほしくて、側にいてほしいと思いました。



 でも、それは叶いません。


 君は優しい優しい人なのです。

 教えてほしいと言えば、勉強は誰にでも教えてた。しかもそれが上手かったから人気でした。



 "ずっと"は無理だったけれど、わざわざ来て話をしてくれる少しの時間が幸せでした。






 私の想いは、伝えない。

 これからも、友達でいいから一緒に居たいと思った。

 関係を壊したくなくて逃げたんだ、そんなことを言われても仕方がないと私は思う。





 そして、そんな君には……








 彼女ができました。








 いつかそうなるだろうなとは感じていて、結局は手の届かない人なのだと分かっていました。 想いを伝えないことを決めたとき、いつか"彼女ができる"という覚悟はしたつもり。

 それでも友達でいいと思ったのは私。




 けれど、けれどね……?


 なんでこんなにも苦しいんだろう?



 あの子と居るときの君はとても優しい笑顔をしているのに、私の心は泣いている。

 たくさん話したいのに、君は気付かない。

 それがどんなに悲しいことか。





 君の彼女は優しい人です。マイペースで、心から他人に親切にできる人。


 きっと幸せになるでしょう。



 いいえ、きっとなってください。

 なってくれないと、心の中に閉まった私の想いが、また苦しくなるから。




 今、心残りなのは君からそれを聞いたとき、私は平常心を装うのが精一杯で"おめでとう"とはっきり言えなかったことです。


 今でも君は、私に優しい。誰にも言えなかった悩みを、親身になって聞いてくれる。あんまり一人で抱え込まずにな、いつでも聞くから、と優しく言ってくれる。



 私はそんな君が……







 駄目だね……。君が愛しくてしょうがないんだ。



 君には彼女がいる。分かっているけれど求めてしまうのは私の勝手だろうか。

 もう一度、この想いは閉まっておこう。いつか消えてなくなることを願って。




 "友達"として聞くよ。君の悩み。君の考え。君の想い。


 どんなことでも私がしてもらったように、最後まで君が言いたいことを聞きたい。








 今日も笑っていますか?


 幸せですか?




 どうか今日も明日も明後日も、この先ずっと笑っていてください。

 それが私の幸せでもあるんです。



 私が誰かに"幸せですか?"と聞かれたとき、君が笑っていたなら"幸せです"と笑顔で答えます。







 さようなら。


 さようなら、愛しい君。




 おめでとう。


 幸せになって。



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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。 日に日に暑くなっていきますね。体調には十分気を付けて、執筆していきましょう。 では、感想に行きたいと思います。 これは、作者様の実話、として解釈して宜しいのでしょうか?…
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