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お互い様でしょう?
私はあの子の代わり。
そんなの知ってる。
私の手の届く距離に君はいるのに
君の目にはあの子が映っているのが見えるの。
私が愛した君はもうあの子のだけものなんだね。
私に触れて、私に唇を重ねて
あの子の名前を呼ばないでよ。
そんな君は嫌い。
だけど、
近づかないで、触れないで。
その言葉が吐き出せないの。
君のことが今でも好きだから。
あの子の名前を呼んだとしても
あの子を想っていたとしても
今だけは君の側にいたいの。
「最低だね。」
それはお互い様でしょう?