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“スキ”
何度好きだって言ったって、
君はそっか、としか言わない。
君は返事をくれない。
ただ微笑むだけ。
僕のこと、どう思ってる?
それは聞けない。
怖いんだ。
情けないよな。
君のココロ覗けたらいいのに、なんて
出来るわけないのに。
いや、それが出来たって意味がない。
君の言葉で聞きたいから。
君が聞いてきたんだ。
“スキ”って何って。
良く分からないんだって。
あぁそうか。何度言ったって
その意味が何を表すかを知らなきゃ
伝わらないんだ。
だから言ったんだ。
君の頬に手を当てて
僕の瞳に君をを映して。
愛おしいって。
君の全てが愛おしいって。
愛しているんだって。
そう言えば、君は、
じゃあ何度もそう思ってるって事なのって聞いてきた。
何度も、いつまでもそう思うって答えた。
君は綺麗な顔で涙を流して
笑うんだ。僕の好きな顔で。
なら、私もそうみたい。
“スキ”だよ。
そう言った君を
もっと好きになったんだ。