急転
エルフの国を目指して旅路は続く
想像以上に険しい道だ
なんでも基本的にエルフは人間を警戒しており、人間がそう近づかないような場所に住んでいるそうだ
そうこうしているうちに、柵が見えてきた
これはエルフの国を守る柵なのだろうか?
エルフらしき人物が見張りをしている
「どこへ行く?ここから先はエルフの国だぞ」
見張りが俺に告げてくる
「エカテリーナに会いに来たんだが、通してくれないか?」
「そうはいかない。人間を、それも顔を隠している怪しい人物を通すわけにはいかない」
うーん、これは困った
「それじゃ、神聖魔法の使い手について何か知っていることは?」
「人間の世界のことなど知らん。エルフはこの国の中だけで生きているのだ」
「エカテリーナは?人間の世界にいたけど」
「彼女は特別だ。人間の世界を調査する役目を与えられた数少ないエルフだ。勇者フレイに命を救われて彼に協力すると決め、人間の手助けをしていた」
フレイの奴、ここでも女の命を救っていたのか
そういえば、伝説の金属はエルフの国にあったって言ってたな
「勇者フレイはこの国に来たことがあるようだけど」
俺は尋ねてみた
「彼もまた特別だ。エカテリーナが連れてきたから特別に許可を出した」
うーん、この様子だと俺が勇者フレイだと言っても信じてくれないな
何か証明するものがあれば・・・・
そうだ
「実は俺が勇者フレイだって言ったら信じてくれるか?」
「信じられるわけがないだろう」
まあ、そうだよな
「これ見て欲しいんだけど」
そう言って、俺は勇者の剣を見張りに見せた
「これは・・・・まさか・・・・・」
「そう、エルフの国で手に入れた伝説の金属によって作られた勇者の剣だ」
「信じられん。それでは本当に勇者フレイなのか?」
「エカテリーナならば俺だとわかるはずだぜ?」
そう言うと、連行されるかのようにエカテリーナの元へと案内してくれた
「フレイ!わざわざ訪ねてくれたの?」
やっぱりパーティーメンバーには仮面を付けていても関係ないらしい
エカテリーナの一言を聞いて見張りは去っていった
「ああ、ちょっと相談したいことがあって」
「ていうか、その仮面は何?」
エカテリーナは訝しげな顔をしている
「いや、その、この仮面が外せなくなってしまったんだ」
俺は一通り事情を説明した
「神聖魔法ね・・・。使い手は一人だけ心当たりがあるよ」
「本当か?誰なんだ?」
「リーゼ姫」
「・・・・・・」
この仮面を被るきっかけを作った人物が、この仮面を外してくれるってのか
うーん、ここでリーゼに借りを作ってしまうと、いよいよ断れなくなる気がする
どうしたものか
そんな事を考えていると、エカテリーナの元へ一人のエルフがやってきた
「エカテリーナ、人間の国の国王から手紙が届いたぞ」
国王から?
エカテリーナは手紙を読んでいる
何か真剣な様子だ
「フレイ、大変だよ」
「どうしたんだ?」
「新たな魔王が誕生したらしい」
「なんだって?」
「どうやら再び人間の世界に行く必要が出てきたみたいね。フレイ、行くよ」
「あ、ああ・・・・」
仕方ない
もうグダグダ言っている場合じゃない
俺とエカテリーナは王城を目指した
おそらくエイダとクルトにも連絡が行っているはずだ
魔王というからにはまたとんでもない力を持っているんだろう
次の魔王も回避不能の即死攻撃なんてのを使えるならお手上げだ
後の事は任せた・・・か
フレイの奴、とんでもない世界に連れてきやがって




