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仮面の勇者

城を抜け出して1か月ほどが過ぎた

その間、いろんな町や村を渡り歩いた

どうやら勇者フレイは有名人のようだ

当たり前か


途中、命を救われたという女性に何度も会った

あいつ、女ばかり何人助けたんだ?


その間、俺は何百回も同じ事を口にした


「俺は記憶を失ったんだ。だから失った記憶を取り戻そうと思って各地を旅している」


元々存在しない記憶を取り戻せるわけもないんだが、とりあえずそういうことにしておいた

旅の途中、町でクエストのようなものを受けて路銀にしている


どうやら、魔王は倒されたものの、魔物はまだ存在するようだ

しかし、魔王が倒されて以降、弱体化はしているらしい

そういった魔物の討伐もクエストには含まれていた


町の店にはいろいろと面白いものが売っている

ポーションや聖水の他、見たこともないキノコや木の実や謎の金属

その他に、力や魔力がアップするいろんな指輪、怪しげな仮面、地図なんかもあった

俺は地図を購入し、それを参考に町や村を巡っていた


途中、勇者フレイのことを全く知らない村があった

どうやらフレイはこの村には訪れなかったようだ


その村では俺はただの旅人としてのんびりと過ごすことができた

なんか、居心地の良さを感じる

俺が俺でいられると言えば良いのだろうか


しかし、ある日、その村のクエストにとんでもないものを見つけてしまった


勇者フレイの捜索


思わず詳細を見てみると、依頼主はリーゼ姫とある

なんてこった

幸い、この村では俺の事は知られていないけど、これは迂闊に他の町には行けないな

まるで指名手配犯になった気分だ


どうしたものかと考えている中、とある噂を耳にした

リーゼ姫がエルサ村を訪問しているという話だ

エルサ村は俺が10日ほど前に立ち寄った場所だ


確実に迫ってきている

すぐそこまで・・・・


俺の悪い予感は当たった

今俺が滞在しているターカ村にリーゼが訪問してきたのだ


俺は咄嗟に道具屋に駆け込んで、怪しい仮面を購入した

顔の上半分を隠せる、つまり鼻や口はむき出しになっている仮面だった

購入した直後、背後から声を掛けられた


「あのー」


俺は仮面を付けて振り返った


「はい、なんでしょうか」


声をかけてきたのはリーゼだった

隣には魔王討伐で一緒だった女騎士のエイダがいる

姫の護衛役なのだろうか

そういえば、リーゼ姫は20歳、エイダは21歳とのことだった

こんな若い女の二人旅って・・・・・


「勇者フレイを探しているんです。見かけませんでしたか?」


やはり・・・・


「いやあ、勇者様のことは全く知りませんので、お力にはなれそうにもないです」


「そうなんですね。この村の他の人もフレイ様のことは知らないと言っておりました」


「そうでしたか、それは残念でしたね」


リーゼ姫はがっかりした様子で去っていく

しかしリーゼは諦めていないようだった

しばらくターカ村に滞在し聞き込みを続けるようだ


それとは別に俺には重大な事件が起こっていた


「なんだこれ、仮面が外れない・・・」


呪われているのか?

木にヘッドバッドを食らわせても割れそうにない

何度も頭突きを繰り返すがびくともしない

そんな時、俺に声をかけてきた人物がいた


「おい」


振り返るとエイダだった


「はい、なんでしょう」


「何をしているんだ?」


「いや、頭突きの練習でもしようかなって」


「お前にそんな技があったか?」


「・・・・・」


確実にバレてる・・・


「このことはリーゼ姫には内密に」


エイダは飽きれているようだった


「まったく・・・、そう邪険な扱いをすることはないだろう。一緒に連れていってやればいいじゃないか」


「そう言われてもな。全く知らない相手だし、どこに行くのかも全く決まってもいないわけだから、まずはこの世界の事をもっと知らないと」


「だからこそ、姫も一緒のほうが良いんじゃないのか?」


「・・・・・・」


言われてみるとその通りなのかもしれない

しかし、宿に泊まるたびに宿の主人から何か言われることになりそうな気がする


いや、そのことはともかく、俺には差し迫った問題があった


「ところで、この仮面、外れないんだが、何か知らないか?」


「お前、それ呪われているだろう」


やはり・・・・・


「どうしたら外れるんだ?」


「知らん」


なんとも冷たい反応


「じゃあ、俺は一生この仮面を付けていることになるのか?」


エイダはため息を一つ付くと


「クルトに聞けば何かわかるんじゃないか?」


ああ、あのパーティーに一緒にいた魔法使いか

聞けば、クルトは故郷の村に帰っているということだった


「クルトに会いにいくか」


俺がそう言うと


「で、リーゼ姫のことはどうするんだ?」


うーん

その事は仮面が外れてから考えるとしよう


「王城で俺を見かけたという話を聞いた、とでも言っておいてくれないか?」


フレイの奴、俺をとんでもない世界に連れてきやがって

仮面の勇者

響きだけだとカッコいいかもしれないな

しかし、この先もいろいろ苦労が絶えなそうだ・・・・・

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