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征服世界のサバイバル~新宇宙戦争~

作者: PYON
掲載日:2025/12/07

 20XX年、地球は異星人に征服された。

 空に巨大な影が現れ、人類は抵抗する間もなく降伏した。

 彼らは全身を毛で覆われ鋭い牙と爪をもち、跳躍すれば屋根を越え、頭脳も科学力も人類をはるかに凌駕していた。

 抗うという選択肢は、最初から存在しなかった。

 地上に降り立つと次々と各国の主要都市を制圧していった。

 1年もたたないうちに地球は異星人に降伏宣言を行った。


 こうして人類は異星人の奴隷となった。

 仕事は、彼らの住居を整え、朝晩の食事を用意し、ときどき毛皮をブラッシングし、遊び相手になること。

 異星人は肉食で、魚や動物のタンパク質を好み、動くものを追って運動不足を解消する習性があった。

 その他、望まれることはすべて人類の役目だった。


 人間はその生活を支えるために働き続けた。電力を生み、食品を加工し、異星人の快適さのためだけに生きた。

 その間、異星人はほとんど眠っていた。


 仕事を終え、わたしは今日も異星人の待つ部屋に帰る。

 疲れているが、休むわけにはいかない。

 生き残るためには、これからやらなければならないことがある。

 奴隷としての仕事だ。

 まずトイレを掃除し、水と食事を用意する。

 固形化した魚肉――通称"カリカリ"を器に盛りつけると、自然に声が出る。


「ドラちゃん、ごはんでちゅよ」


 異星人に話しかけるときだけ、なぜか赤ちゃん言葉になる。

 顔を見ればさらにひどくなる。

「どうしたんでちゅか」などと、無意識に口が動くのだ。


 部屋の隅の"異星人タワー"から、丸い顔がぴょこんと出る。

 軽やかな足取りで降りてくると、尻尾をぴんと立て、まっすぐこちらへ。

 足元で見上げたその瞳は、宇宙の深淵のようにまん丸い。


「ニャー」


 短く鳴くと、カリカリと食事を始めた。

 その後ろ姿を見つめながら、わたしは今日も目を細める。


 ――人類は征服された。奴隷になった。

 なのに、なぜか以前より少しだけ幸せになったのだった。

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