表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

第1話 シュゼットは、後悔する

初投稿です。どうぞよろしくお願いいたします。

 ぽたり、ぽたり、と断続的に天井から雫が滴り落ちる音が、暗くじめつく地下牢にこだまする。


 瞳を閉じた暗闇の中、わたしはひたすらその音を聞いていた。


 当初は触れることすら躊躇われた粗末なベッドに横たわったわたしには、もはやまぶたを持ち上げる気力すら残っていない。

 

 身体が鉛のように重くて、凍えるように寒い。


 もういくらもしないうちにわたしの命の灯火は消えるのだろう。


 侯爵令嬢であるわたしがこんなところで人生を終えるなんて。


 今際の際に押し寄せるのは止めどない後悔。


 わたしという婚約者がありながら他の令嬢にうつつを抜かした婚約者のことが許せなかった。しかも相手はわたしよりも遥かに身分の低い、平民上がりの庶子の男爵令嬢だなんて。


 軽んじられていると思った。

 蔑ろにされていると思った。

 そして、どうしても許せないと強く思った。 


 そんな短絡的な思考から衝動的に婚約者を害し、その結果、わたしは地下牢へ入れられてしまった。


 ……けれど、こんなところでみじめに死ぬくらいならば、浮気性の婚約者などあの男爵令嬢に譲ってしまえば良かった。


 いくら後悔したところで既に遅い。


 わたしはこのままここで死ぬのだろう。


 ああ、なんて愚かなことをしてしまったのかしら。


 後悔と自責の念が重たいまぶたの下から涙となって溢れるとともに、わたしの意識は暗く深い沼の底へとゆっくりと沈んでいった。

本日はあと2回、15時と18時にも更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ