守られない交通法規
体感ですが、九割以上の運転手が守らない道路交通法の条文があります。
制限速度ではありません。制限速度は割と守っている運転手が多いですし、私も初めて通る道路では制限速度で走行します。
守られない条文は、道路交通法第二十七条です。
道路交通法第二十七条は「他の車両に追いつかれた車両の義務」です。
義務ですので、必ず実行しなければならない内容です。
法令条文は難解な書き方になっていますので要点のみを抽出しますと、「追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない」という内容と、「できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない」となります。
道路交通法は「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り」云々という目的で制定されていますので、先頭車両が遅い速度で他の交通を妨害してはなりません。
これは煽り運転を防止する為にも重要な条文です。
煽り運転をする運転手は、前の車両の進行速度が遅いから苛立っているのです。
ですので、自らの進行速度よりも速い車両が追いついて来た場合は、進路を譲ってしまえば煽り運転は発生しません。
制限速度を超過して走行している車両を妨害せず、さっさと行かせてしまえば良いのです。
その先で交通取締に引っかかっても運転手本人の責任であり、進路を譲った側に責任はありません。
私も高速道路でノンビリ走行していた時に、猛スピードで追い抜いて行った車両を見送ったことがありますが、暫く走行していると赤い回転灯が光っている場面に出会いました。
誰も悪くありません。
ただ、速度超過をしていた方の責任ですから、私は安全運転で通過しました。
峠道でも、私がゆっくり走行したい時には、追いついて来た車両に進路を譲るのに吝かではありません。
どうせ、行った先で大型車両や更に遅い車両の後ろに追いつくだけです。
仮にそれで渋滞が発生するようならば、遅い車両は後続車両に進路を譲らなければなりません。
それが道路交通法の定めであり、環境にも優しい運転になります。
個人が燃費の悪い運転をしていても、他人にその燃費の悪い運転を強要してはなりません。
燃費の良い運転とは、適度な速度を保ち、短時間で移動を終える運転です。
環境にも優しい運転ができるよう、速度の速い車両には進路を譲り、円滑な交通の流れを作りましょう。
(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第二十七条 車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
2 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
(罰則 第百二十条第一項第二号)