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世界のためなら何度でも  作者: 社長
【最終幕・後編2】セカイのためなら何度でも
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T-153 暴食の罪

ゼルディアの二つの翼が一層輝きを増した。


忘れたくなかった記憶、セカイとその子供のことを。


ゼルディア「お前もあの時、俺が全員の記憶を目覚めさせた時に世界ワールドの記憶を思い出したんだな。」


ゼルディアが結衣にそういうと結衣はコクリとうなづく。


聖夜の妻であり、極夜の母である神成結衣こそがゼルディアが最も愛していたセカイだった。


極夜「母さんがゼルディアの言っていたセカイ・・・・・・。」


結衣「えぇ。極夜と同じく、私も前世の記憶と今の記憶が入り混じった状態なの。最初は戸惑ったけど彼女が私に願ったの、『大切な人を止めたい』って。」


結衣の背中から結衣と瓜二つの人影が現れる。


その人影に、極夜の記憶も懐かしさを感じる。


世界「ゼルディア・・・・・・。」


ゼルディア「あぁ・・・・・・、あぁ・・・・・・・・・。」


ゼルディアの眼から一筋の涙がこぼれた。


誰よりも大切な命が、失ってしまった命が今目の前にいる。


ゼルディア「ずっと会いたかった・・・、お前が俺に翼を与えてくれていたんだな。」


世界「えぇ、あなたにどうしても死んでほしくなかった・・・、あなたに止まって欲しかった。」


二人は再開を喜び合い、固く抱き合った。


極夜「ゼルディア・・・・・・。」


今のゼルディアにあの時の恐怖を感じない。


むしろ、暖かさを感じれた。


結衣は二人を見届けると聖夜のところへかけよる。


聖夜「・・・・・・結衣か。」


結衣「うん、そうだよ。」


聖夜「・・・・・・ごめん、俺はもう・・・。」


結衣「・・・わかってる。でも最初に言う言葉が違うでしょ。何百年待たされたと思ってるの。」


聖夜「あぁそうだな。」


聖夜はボロボロの体を無理やり起き上がらせ、


聖夜「ただいま。ちゃんと帰って来たぞ。」


結衣「・・・・・・ほんと・・・・・・・・・遅いよバカ。」


結衣は泣きながら聖夜の手を握りしめる。




そうしてしばらくたった後、ゼルディアはセカイを突き放した。


世界「ゼルディア・・・?」


ゼルディア「お前と最後にあえてよかった。もう少し早かったら・・・・・・、俺がもう少し早く見つけられたなら・・・・・・・・・、結末は変わったのかもな。」


世界「最後って・・・何言ってるの?これからは三人で一緒に暮らそうよ!あの子は現世の子と一緒だからたまにしか会えないかもだけど・・・でもそれでも私幸せだよ!」


世界ワールドの眼からボロボロと涙が零れ落ちる。


そうしてゼルディアは極夜の方を向く。


ゼルディア「俺はもう・・・・・・、止まれねぇんだ。」


世界「だめ!!もういいのよ、私はこうして帰って来た。もうこれ以上・・・・・・傷つかないでよ!!」


ゼルディアはは最も強くなるために多くの犠牲を払った。


ここでゼルディアが止まってしまったらその犠牲はなかったことになってしまう。


ゼルディア「俺は今からお前の後ろにいる神成聖夜を殺しに行く。それで晴れて俺は全ての犠牲を経て最強の神となる、お前はどうする?」


極夜にはわかっていた。


その言葉に隠れた心情を極夜はわかっている。


ゼルディアは自分という極悪人を裁いてほしいのだ。


暴走していたと言ったところで免罪符にはならない。


ゼルディアの奪った命の中には大切に思っている人がいて、大切に思ってくれている人がいた。


ゼルディアはそれを大勢奪っている。


ゼルディアはその罪を、数多の命を貪り力を喰らったその【暴食の罪】を裁いて欲しいのだ。


だが同時に、その犠牲を払ってでも自身が世界でいちばんだと証明したいのだ。


反発する二つの感情を拳にこめ、ゼルディアは立ち上がった。


極夜「・・・・・・もちろん止めるよ。」


ゼルディア「そう来なくちゃなぁ・・・、俺はもう誰にも止められない。俺はこの世界で一番強い、最強なんだと証明してやる!!」


ゼルディアは地面に突き刺した剣を抜いた。


ゼルディア「かかってこい魔術師マジシャン、そして神成極夜!!俺がこの世で一番強いとこの最後の戦いで証明してやる!!」


極夜「いいやさせないよ。僕が父さんを、父さんが守ったこの世界を救って見せる!!」


運命とは非情なものだ。


ゼルディアとその子の最後の戦いが始まった。

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