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世界のためなら何度でも  作者: 社長
【最終幕・後編2】セカイのためなら何度でも
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T-150 忘れていく記憶

今まで地に落ちた6の羽根が再びゼルディアの背中に生えてくる。


ゼルディア「思い出を引きずってたらいつまで経っても強くなれねぇ。だったら忘れちまえばいいんだよ!!」


ゼルディアの記憶から隠者ハーミットが消え去った。


ミルド「愚かな。全て忘れた後、お前は一体何者だと名乗れるのだ。」


ゼルディア「自分が誰だろうと関係ねぇ。お前らを殺して、最強になる。おれはこの世界で一番になる!!」


聖夜「ミルド!!早くアイツを倒さねぇといよいよ手が付けられなくなるぞ!!」


聖夜は剣を持ち直し、魔術で強化する。


ミルド「承知!!」


ミルドもすぐさま負傷しながらもゼルディアに向かう。


その剣はそれぞれ左腕と右腕に防がれる。


ミルド「この力は!?」


聖夜「ゼルセリオスとアルカナディア!!」


エクストラスキルは完全に消滅したと思ったが再びゼルディアに力をもたらす。


ゼルディア「エクストラスキルじゃねぇ、クソみたいな思い出だ!!」


ミルドは地面にたたきつけられ、聖夜は切り刻まれる。


ゼルディア「俺が分けた力の欠片たち、まさかそいつらに暴走させられるなんて思ってもなかった。じゃあな、吊人ハングド審判ジャッジメント。」


羽がまたひとつ、星屑となって消えていく。


聖夜「やめろゼルディア!!それ以上記憶を失ったら化け物になっちまうぞ!!」


ゼルディア「関係ない、化け物でも俺が一番ならそれでいいんだよ!!」


聖夜に剣が振り下ろされる。


その剣は神々しい光を降り注ぎながら力を増大していた。


ゼルディア「悪魔デーモン、お前だけは裏切らないと思っていた。ずっと・・・、だがお前が裏切り俺は・・・・・・。いや、もう関係のない話だな。」


また羽が消えていく。


ゼルディアのこの羽は大事な記憶なのだろう。


だが、ゼルディアはもう止まらない。


誰にも止められないのだ。


ミルド「主人あるじ!!」


間一髪のところでミルドが剣を受け止める。


ミルドの剣がパキリパキリと音を立てる。


ミルド「ぐっ、ぐぉぉぉぉぉぉ!!」


聖夜「すまないミルド、これで決める!!」


聖夜は魔法陣を展開する。


何重にも重なった魔法陣が折りたたまれ、また重なる。


今まで誰も目にしたことのない魔力が渦巻き、周囲を威圧する。


聖夜が扱うことのできる正真正銘最後の魔術。


ミルド「申し訳ございません主よ。どうやら私はこれまでのようです。」


バキリ、とミルドの足が砕け散る。


抑えていた剣が聖夜を襲う。


聖夜「ありがとうミルド、これで終わりだ。俺の最初で最後の最大魔術≪ゼノ=ゼルディア≫!!」


そして、その魔法陣から一瞬の閃光が放たれた。


聖夜の魔力を全て注ぎ込んだ最大火力がゼルディアを吹き飛ばす。


しかし、ゼルディアは耐えている。


ゼルディア「愚者フールの力・・・・、あいつは俺に従順で絶対俺に逆らわないと思っていた。だが、今世ではいい主人に出会えたようだ。」


ゼルディアの周りに巨大な防御壁ができる。


ゼルディア「大切な記憶が抜け落ちて、寂しさで埋め尽くされて俺が俺じゃなくなっていく・・・。だがこれでいい!!俺にそんな感情いらない!!俺はこの世界で一番強くなるんだ!!」


聖夜「なに、黄昏てんだ。こっちみやがれ!!」


聖夜の魔術は止まらない。


ゼルディアの防御にヒビが入る。


ゼルディア「何!?絶対防御の愚者の力だぞ!!」


聖夜「俺の魔術はまだ終わってねぇんだよ!!」


折りたたまれていた魔法陣が再度展開される。


聖夜「魔術再展開、火力マシマシだぜ!!」


魔術はさらに勢いを増す。


防御はギシギシと限界を伝えている。


しかし、魔術は止まらない。


それどころか魔法陣は最後にもう一度展開する。


聖夜「三重展開ゼノ=ゼルディアだ、消し飛びやがれ!!」


ゼルディア「バカな!!こんな力、人間の分際でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


ついに防御がくだけちった。


そしてゼルディアは、魔力の濁流にのまれていった。

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