T-148 手は出させない
ミルド「これで残ったのは私達だけ。」
聖夜「これでもう何もコピーできねぇな。って言っても俺もだけど。」
極夜「・・・・・・・・・。」
皆がつないでくれた希望。
だが、極夜だけが一人悩んでいた。
自分の中の記憶、かつての記憶が戦わないでと泣き叫んでいる。
父の手によって殺されたはずの人格が父を殺さないでと叫んでいる。
それに引っ張られ、極夜も戦うことができないのだ。
極夜「なんで・・・、動かないんだよ。みんなが託してくれたのに・・・、なんで動かないんだよ!!」
極夜は自分の足をたたく。
極夜「なんで・・・なんで!!君はゼルディアに殺されたのに、なんでゼルディアをかばうんだよ・・・。」
それに気づいたゼルディアは極夜のもとへ足を進める。
ゼルディア「魔術師、あいつを食えば俺はさらに強くなる。さぁ、こっちにこい。俺がお雨の力を有効活用したやる。
その極夜の前に二人が立った。
聖夜「極夜、動けないんなら無理するな。どうやらお前の中にいるやつは相当ゼルディアを慕ってたらしい。」
ミルド「子が父を想うのは至極当然、気に負うな極夜。」
極夜「でも・・・、皆がせっかくゼルディアへの勝機を見出してくれたのに。僕は・・・・・・何もできない!!みんなの役に立ちたいのに立てないのが悔しくて・・・!」
二人は極夜の肩に手を置く。
ミルド「何も役に立っていないと自分で思っているだろうが、私たちはこの戦いでお前に何度助けられたことか。」
聖夜「俺が封印から出てこれたのもお前のおかげなんだ。むしろ頑張りすぎな位にな。」
二人は剣を構えた。
聖夜「それに、大切な息子が後ろにいるんだ。死ぬ気で頑張ろうって気になるんだ。」
ミルド「弟子に奥義をまねられては、師匠として立つ瀬がないしな。」
そしてゼルディアをにらみつけた。
聖夜「俺の息子に・・・、」
ミルド「私の弟子に・・・。」
聖夜&ミルド「「手は出させない!!」」




