T-146 勝つための負け戦
戦況が変わった。
セイギ「出力最大!!行くぞ、ガブリエル!!」
ガブリエル「私たちの愛を、全てをこの一撃に!!」
セイギの剣が白熱する。
剣が熱で溶けていくほどに二人の愛が力になる。
天秤は常に正義の方へ傾いていた。
セイギ「|正義と愛の剣《真・ジャスティスソード》!!!!!」
ゼルディアは腕で防御するがその腕が熱を帯びる。
セイギ「正義と愛の一撃は全てを焼き切るぞ!!!!」
ゼルディアの腕がボトリと落ちた。
熱に耐え切れず、神の腕が蒸発したのだ。
セイギ「右腕は封じた!!そして俺の剣は溶け切り攻撃手段はない!!」
ゼルディアの額に血管が浮き出る。
ゼルディア「クソどもがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ゼルディアの怒りの一撃が地面を揺らす。
セイギ「ぐはっ!!」
ガブリエル「セイギ!!」
セイギ「攻撃後の隙が大きすぎるせいで封印していたこの技、最後に役に立ててよかったぞ!!」
セイギはガブリエルに抱えられ、安全なところに避難する。
ゼルディア「どいつもこいつもうぜぇことしやがって・・・、全員生きて帰れると思うなよ!!」
神の左腕が全員を襲う。
アマノガワ「ゲッケイジュくん!!僕に合わせれる?」
ゲッケイジュ「やってみます!!」
絶えず魔力弾が降り注ぐ戦場の中、アマノガワは時間を停止する。
そしてゲッケイジュをカバーするように立つ。
時が動き出す。
ゲッケイジュ「【混沌を喰らう者】!!」
そのすべての衝撃をゲッケイジュが反射する。
ゼルディア「無駄だ、【混沌を喰らう者】!!」
衝撃が反射される。
反射され、反射され、反射され、反射され、反射され、反射され、何倍にも膨れ上がる。
アマノガワ「いまだゲッケイジュくん!!!!!」
視界からアマノガワとゲッケイジュが消える。
上空だ。
ゲッケイジュ「ぐぅぅぅぅ!!こんな痛み、世界の命運と天秤にかければ安いもんだ!!」
ゲッケイジュはあの瞬間、反射された衝撃をストックしアマノガワに時間を止めてもらい上空へ飛んだのだ。
意識外からの攻撃へは反射できない、それはゲッケイジュが最も知っている。
ゼルディア「意識すれば反射できるんだろ、それぐらい対応できるんだよ!!!!」
ストックした衝撃が放出される。
しかしゼルディアは攻撃を認識し、反射の態勢をとる。
アマノガワ「そうはさせない!!!!」
放たれた衝撃が突如消える。
そしてゼルディアの背後にはアマノガワが立っていた。
アマノガワは素手で衝撃をつかみ取り、ゼルディアの方へ向けていた。
腕が焼き切れグズグズになっていく。
アマノガワ「いい加減・・・、倒れろよ!!」
そしてその衝撃をゼルディアに押し当てた。
何倍にも膨れ上がった神の一撃を喰らい、神は膝をついて倒れた。
聖夜「アマノガワ!!」
極夜「ゲッケイジュ!!」
二人は倒れた友をすぐに安全な場所へ運ぶ。
ゲッケイジュ「極夜、僕も・・・役に立てたかな?」
極夜「無茶しすぎだよ・・・、でもありがとう。」
聖夜「アマノガワお前・・・この腕・・・・・・。」
アマノガワの腕は爛れて跡形もなくなっていた。
恐らくもう、二度とモノを持つことすらできない。
アマノガワ「へへっ、終焉竜の時よりはましだよ・・・。あとは頼んだよ聖夜!!」
三人に奮闘によりセイギの攻撃強化、月桂樹の反射、天之川の無間の魔力がゼルディアから失った。




