T-143 茶番
聖夜「ゼロ!!」
地面に落ちたゼロを聖夜が抱きかかえる。
ゼロ「マスター、残念ながら私はここまでです。みんなのこと頼みましたよ・・・・・・。」
しかし、誰も悲しむそぶりをしなかった。
ゼロ「あ、あの~みなさん?私死にそうなのに真顔ってひどくないですか?マスターもミルドも冷ややかな目で見て・・・、ミルドに関しては愛する妻ですよ?」
聖夜「いや、お前ゴーレムじゃん。」
ゼロ「あ。」
ゼロはどうやら人間との暮らしに慣れすぎて自分でもゴーレムだということを忘れていたらしい。
だが、自分を人間だと思って自らを犠牲に皆を助けようとしたのだ。
極夜「ゼロさん、あなたがゴーレムでもこの身体じゃもう戦えないでしょう。避難しててください。」
ゼロ「坊ちゃんまで冷ややかな眼・・・、私哀しいです。」
ゼロは近くの岩場まで非難し、戦闘態勢を解いた。
極夜「でも、ゼロさんのおかげで少し緊張がほぐれたよ。きっと気を利かせてふざけてくれたんだよね。」
聖夜「バカなだけだよ。」
ミルド「バカなだけだ。」
ベルゼブブ「バカなだけだな。」
ゼロ「そろそろ泣きますよ?」
月桂樹「ふざけてる場合じゃないですよ!!もうゼルディアは拳を振り上げてるんですよ!!もうおしまいだ・・・。」
極夜「らしくないよゲッケイジュ!!僕達なら大丈夫だよ!!」
再び戦闘に入る。
足場は【平凡を喰らう者】のせいでどんどん腐り始めている。
ハジメ「くそっ、俺のスキル影薄いから活用されて喜んでいいのかやべぇのかわかんねぇ!!」
ハジメは銃を構える。
ハジメ「皇帝のお通りだ!!」
ハジメがそういうと味方は一斉に道を開ける。
路を開けなかったのはゼルディアだけだ。
ハジメのブラックエンペラーがゼルディアを穿つ。
ゼルディア「無駄だ、豆鉄砲で戦ってるつもりか?」
弾丸は【混沌を喰らう者】で反射される。
ハジメ「俺に反射は効かねぇよ。」
弾かれた弾丸は空気に触れ、弾かれる。
空気にはじかれ、空気にはじかれ、ゼルディアにはじかれる。
ハジメ「俺の弾丸は空気の些細な摩擦だけで跳弾できるんだよ。」
弾丸は加速する。
ゼルディアも追いつけないほどの速度になった弾丸はついにゼルディアの足を貫いた。
アマノガワ「・・・?」
攻撃は当たったのにアマノガワは少し不思議な顔をする。
そして、その疑問は天才の頭脳で確信に変わった。
そして覚悟を決め、ゼルディアに立ち向かう。
アマノガワ「・・・ゼルディアの倒し方、わかっちゃったかも。」
アマノガワは冷汗をかきながらニヤリと笑った。




