T-140 セカイのためなら何度でも
ゼルセリオス「神よ、お立ちになってください。」
アルカナディア「貴方の望みを忘れたのですか?」
うるせぇ裏切り者共。
ゼルセリオス「思い人が視ていますよ。」
アルカナディア「さぁ、もう一度立つのです。」
もういいんだ、俺は負けたんだ。
ゼルセリオス「神の責務を果たしてください。」
アルカナディア「すべてを滅ぼすのです。」
滅ぼして何になる?もう終わったんだ。
ゼルセリオス「神にしかできないことを」
アルカナディア「果たすのがあなたの役目です。」
俺は疲れたんだ、これ以上強くなっても先はない。
どこからか声が聞こえる。
セカイ「ゼルディア・・・・・・。」
世界の声だ。
俺が強さを求めたのはアイツのためだった。
アイツが死んでから、俺は取りつかれたように強さに固執した。
もう、大切な人を失いたくないから。
セカイ以外の大切な人、誰だったか思い出せない。
守りたかった、誰かが。
いや、セカイが死ぬ前にも俺は強さを求めていた。
セカイ「私は貴方が傷つくのを見たくない。」
あぁ・・・そうだ。
セカイ「いつも不安なの・・・、あなたがもしどこかで死んじゃったらって・・・・・・。」
そんな顔をしないでくれセカイ。
心配されたくなかった、大切な人が悲しむのを見たくなかった。
ゼルディア「まだ・・・・・・、負けてねぇ!!!!!!」
ゼルセリオス「さぁ目覚めの時です神よ!!」
アルカナディア「すべては貴方様のために!!」
ゼルディアの死体が動き出す。
崩れ去った体が修復されていく。
背中からは消え去ったはずの羽が、第七の羽が姿を現す。
極夜「ま、まだ立ち上がるのかゼルディア!!」
ゼルディア「何度だって立ち上がってやるよ!!俺は最強なんだ、もうセカイを悲しませないために・・・。」
ゼルディアの体が変質を始める。
全ての力を出し切り、目の前の敵を打倒すため。
そして自分がこの世界で最強だと、大切な人に宣言するために。
ゼルディア「セカイのためなら何度でも立ち上がってやるよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
神の叫びが世界に響き渡る。
崩れた剣を掲げ、血を流しならも立ち上がる。
その後ろに、人影がいるように錯覚した。
聖夜「戦える奴は?」
聖夜の問いに皆は震える足をたたき起こす。
セイギ「あぁ、問題ない!!」
ハジメ「てめぇだけにかっこつけさせねぇよ。」
アレイスター「もちろん。オルル、あなたは休んでおきますか?」
オルル「まさか!私だって戦うよ!!」
月桂樹「全ては平等な世界のために・・・、大丈夫です!!」
ベルゼブブ「魔力も気合も十分だ!!」
アマノガワ「僕だけ休んでちゃダメ?」
ゼロ「いざ反逆の時です!!」
ミルド「この身体朽ちるときまで主人の傍に・・・。」
皆が武器を掲げ、戦闘態勢をとる。
極夜「一緒に戦おう、父さん!!」
聖夜「聞くまでもなかったな・・・。よっしゃ、行くぞ!!!!」
聖夜の号令により、皆が一丸となって神へと反逆を開始した。
『世界のためなら何度でも』
ここに記されている『世界』は神にとっては守りたい星のことではなく、一人の最愛の女性だった。
タイトルはこのセリフのために決めたものです。




