T-139 勝利
魔術師「パパ~!!今日も魔術教えてよ~。」
ゼルディア「てめぇみたいなクソガキにゃ魔術なんてまだ早い。お絵描きでもして遊んでろ。」
世界「もうゼルディア!!自分の息子でしょ?ちゃんと名前で呼んであげて!」
ゼルディア「けっ、俺の血を引きながら俺より弱いやつなんかクソガキで十分だ。」
魔術師「え~ちゃんと呼んでよ。」
ゼルディア「・・・なら、俺より強くなったら呼び方変えてやるよ。」
魔術師「ほんと!?」
ゼルディア「クソガキからガキに変えてやる。」
魔術師「ママ~、パパが意地悪言う!!」
世界「ゼルディア!!」
ゼルディア「うるせぇな・・・。」
なんてことのない家族の日常。
だが、ゼルディアは笑っていた。
戦いでは一度も見せたことのない純粋な笑顔を、家族に向けていた。
極夜「・・・・・・・・。」
極夜は静かに涙を流した。
本来あったはずの家族の日常。
極夜に眠る前世の自分が泣いていた。
オルル「極夜?」
極夜「え?あぁ、何でもないよ!!」
極夜たちは聖夜たちのところへと歩んでいく。
全て終わったのだ。
極夜「長い戦いだったね。」
月桂樹「うん・・・、終わったよ。」
オルル「疲れたね・・・。」
そんな極夜の頭をミルドがポンポンとたたく。
ミルド「バカ弟子が、簡単に師匠の業を使うんじゃない。反動で死んだらどうするんだ。」
極夜「ごめんなさい師匠、でも僕には二人がいたから大丈夫って確信してたんだよ。」
オルルとゲッケイジュはにこっと笑う。
アレイスター「オルル、強くなりましたね。父として誇らしいです。」
オルル「パパ・・・、生きててよかった!!」
アレイスター「いたたたたた!!生き返っただけで傷は治ってないんです、今抱き着かれるとほ、骨が!!」
聖夜「ミルドもアレイスターも、いい父さんしてるな。」
アレイスター「えぇ、自慢の娘です。」
ミルド「というか極夜は私の息子でなく主人の息子ですよ。」
皆笑い出す。
先ほどまで戦っていたことなど忘れてしまうかのように平和な時間。
ゼルディアの死体から何かが蠢いた。




