T-134 第六の羽
あぁ、何故俺はまだ生かされている。
この力は、この暖かさは感じたことがある。
優しい言葉をかけてくれた世界の力だ。
お前は今どこにいる、どこへ転生した。
捜しても見つからない、お前は俺に会いたくないのか?
俺は会いたい、俺が愛した人間。
世界「ゼルディアさん・・・。」
あぁ、声が聞こえる。
どこだ、どこにいる。
世界「もう・・・、辞めて・・・・・・。これ以上戦わないで・・・・・・・・・。」
ゼルディア「どこにいるんだ、世界ぃぃぃぃ!!」
ゼルディアは再び立ち上がる。
六度目の復活、段々世界の声が明確に聞こえ始める。
聖夜「はぁ、はぁ。俺はずっと、世界がゼルディアに戦ってほしいから復活させてると思ったけど・・・。どうやら違うみたいだな。」
アマノガワ「まるで生きてほしいけど傷つかないでほしいって、そう聞こえるよ。」
ゼロ「でもゼルディアは戦うのを辞めない、それがこの復活の意味だったんですね。」
聖夜は膝をつく。
聖夜「はぁ・・・、あとは任せてもいいか極夜。」
極夜は頷く。
傍にはオルルとゲッケイジュが立っていた。
聖夜「お前も、かけがえのない仲間ができたんだな。」
極夜「見てて父さん、もう父さんだけが戦わないで済むように。僕も強くなるから。」
極夜は剣を握る。
極夜「これは僕の物語だ、父さんがゆっくり休めるように・・・僕ががんばるんだ!!」
ゼルディアは咆哮する。
ゼルディア「どこだ、どこにいるんだ世界!!」
ゼルディアのもとに神器が集まっていく。
そしてやがてそれらはゼルディアの肉を押し込み、融合する。
ゼルディア「邪魔だお前ら!!俺が・・・・・・、全て滅ぼしてやる!!」
その声の瞬間、周囲から魔力がなくなった。
そして、ゼルディアの羽が変貌し巨大な腕となる。
極夜「神器、腕・・・。デスペラードとルドベキアの力だ。」
極夜はブルっと体を震わせる。
オルルとゲッケイジュが肩に手を置くと、その震えは収まった。
オルル「大丈夫、一人になんかさせないんだから!」
ゲッケイジュ「僕たちのことも頼ってよ、友達でしょ?」
極夜「・・・・・・うん、ありがとう二人とも。」
極夜の震えはもうない。
頼りがいのある仲間が傍にいてくれるから。
極夜「勝負だゼルディア!!今度こそ、お前を倒す!!」
ゼルディア「バカ息子が・・・、躾が必用みたいだな・・・。」
神とその息子。
最後の戦いが始まった。




