T-132 終焉すらも喰らった神
先ほどまでのゼルディアは本気ではなかった、なんてことはない。
ゼルディアは聖夜の記憶を読み取り、覚醒したエクストラスキル【全てを喰らう者】によりかつての敵のエクストラスキルを模倣し喰らった。
模倣したスキルは皆使い慣れていない者であり、また弱い生物のスキルであった。
実際本気のゼルディアは皆に負けたのだ。
だが、この力は違う。
起源は未来の自分であり、世界最強の名にふさわしい生物である。
それゆえ、さすがの聖夜も冷汗が流れた。
聖夜「オルクジャナス、つくづくお前とは縁があるな・・・。」
ベルゼブブ「おいおい、怖気づいたか?」
聖夜「まさか、お前と久しぶりに戦うから歓喜の震えだよ。」
ベルゼブブ「へっ、そういうことにしといてやるよ。」
聖夜は【王神器】ヴィジリアを構える。
中にはもちろん相棒であるベルゼブブが宿っている。
聖夜「さぁ行こうぜ相棒!!」
ベルゼブブ「おうよ相棒!!」
聖夜はゼルディアに向かって走り出す。
ゼルディア「愚か!!」
ゼルディアは終焉の力を使い、剣を生み出す。
この世のすべての属性が入り混じった終焉神器、
ゼルディア「かつての剣、ムンドゥスの模倣だが・・・まぁいいだろう。」
二人の剣がぶつかり合う。
ベルゼブブ「いててててて!!属性が混じりすぎて防ぎきれねぇ!!」
聖夜「頑張れ!!」
ベルゼブブ「無責任すぎる!!」
剣がはじかれ合い、再び激突する。
ゼルディア「原初の事象よ、混ざり溶けあい一つになれ!!」
現在観測されている18種類の起源にあたる属性、赤・青・緑・黒・白の第零派生属性が入り混じり、魔力の弾丸となって聖夜を攻撃する。
もちろん防げるはずもなく、聖夜は攻撃を喰らってしまう。
聖夜「いってぇ!!防げない攻撃ってこんな感じなんだ。」
ベルゼブブ「俺様の痛みを思い知ったか!!」
聖夜「なんでお前が敵対してんだよ!!」
なんとも締まらない戦いだ。
聖夜「こんなもん遮断しちまえばいいんだよ。ベルゼブブ、アレ使え!!」
ベルゼブブ「了解!!」
ベルゼブブのエクストラスキル、【魂を貪り喰らう者】が発動しゼルディアは再び地獄へ送られる。
今回は聖夜というオマケ付きだ。
ベルゼブブ「さぁ、ここからどうするよ聖夜。」
聖夜「ノープランだ。」
ベルゼブブ「なんで使わせた!?」
ゼルディアの斬撃を防ぎつつ、魔力弾を避ける。
そして地獄の地面へとたどり着いた。
聖夜「でもよぉ、ここなら魔力の質が変わる。」
ゼルディアは攻撃を躊躇した。
魔力の質を考慮しないまま同じように攻撃すれば魔力暴走を引き起こす。
魔力暴走を起こした魔術は自壊し、発動者を襲う。
かつてアマノガワを倒したときにも同じ方法を用いた。
だが、今回は・・・・・・
聖夜「その隙が欲しかったんだよ!!」
たった一瞬の躊躇、それが思わぬ結果を招いた。
聖夜「見せてやるよ、俺のエクストラスキル!!」
2024年中に終わらせたかった。
明けましておめでとうございます。
どうやら、2025年でもお世話になりそうです。
今年もよろしくお願いします。
最終章お楽しみください。




