T-131 第五の羽
審判「あぁいけません神よ。」
吊人「貴方は弱くなられてしまった。」
審判「あの人間のせいだ。」
吊人「忌々しい世界め。」
審判「神を正さなければ。」
吊人「神を律さなければ。」
審判「世界を殺そう。」
吊人「そうしよう。」
審判「神は弱くてはいけない。」
吊人「神は絶対でなければいけない。」
審判・吊人「「それが、【【運命】】なのだから。」」
聖夜「こいつは・・・・・・。」
アレイスター「運命、聞きなじみの言葉ですね。かつてゼルディアが狂った原因、運命と呼ばれる者によって世界は殺されたと。」
聖夜「胸糞わりぃ、自分が分けた力によって愛する人が殺されたなんて。」
ゼルディア「・・・・・・そうか、そうだったのか。アルカナディア、ゼルセリオス、お前らが世界を・・・。」
ゼルディアの腕から二体の生物が実体化する。
審判と吊人だ。
審判「これも貴方が力を得るため。」
吊人「神は弱くてはいけない、故に我々が正したのです。」
ゼルディア「自分の力に自分が噛まれるなんてな、ふざけた笑い話だ。」
ゼルディアは、二人を食い殺した。
審判「これも試練であり、運命です。」
吊人「もう、誰も貴方を止めることはできない。」
ゼルディアは二人を飲み干し、口元の血をぬぐう。
ゼルディア「最初から全部、俺が悪いのかよ・・・・・・。強さを求めた俺が・・・全部・・・・・・全部全部全部全部悪いのかよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
ゼルディアの羽が悍ましい色に変化する。
その色は終焉、真っ黒だ。
再び空が赤くなり、大地は白く染まる。
この光景を、もう何度見ただろうか。
終焉竜の力だ。
ゼルディア「俺が悪くても・・・、もう止められねぇんだよ!!この星も、世界も、お前らも、俺も!!全部きえてなくなれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
ギギギギギギギギギギ
世界が沈む音が聞こえる。
大気中の魔力が互いにはじけあい、いびつな音を立てているのだ。
聖夜「これは俺が行くしかねぇか・・・。」
極夜「と、父さん!!僕も戦える、僕も一緒に!!」
聖夜「悪いな極夜。」
聖夜は自分の腕を極夜に見せる。
その腕は薄く、消えかかっている。
聖夜「父さんここに来るまでにちょっと無茶してさ、もう体がギリギリなんだ。」
極夜「そ、そんな・・・。」
聖夜「だからこいつは俺が倒す、最後の羽はお前に・・・お前たちに任せてもいいか?」
聖夜は息子を信頼し、最後を託した。
実際、聖夜の体はこの世界に再臨する前にオルクジャナスによってボロボロにされている。
加えて彼はまだ世界とのつながりが薄い、大気中の魔力に体が蝕まれているのだ。
聖夜「大丈夫、俺は死なない。だから応援しててくれるか?」
極夜「・・・・・・わかった。」
極夜はそう言って仲間たちのもとへ駆け寄る。
最後に聖夜の方を向き、大声で
極夜「頑張って父さん!!」
精一杯の声援を投げかけた。
聖夜「ふー、さっきぶりだなオルクジャナス。」
聖夜は震える手で剣をとる。
ベルゼブブ「いいのか聖夜、お前・・・・・・。」
聖夜「あぁ、息子と仲間に期待されてるんだ。期待に応えないとな。」
聖夜はゼルディアに向き合う。
聖夜「ケリつけようぜ、ゼルディア。」
ゼルディア「全て終わらせてやる。」




