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世界のためなら何度でも  作者: 社長
【【最終幕・後編1】】明けない夜に
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T-124 聖夜天翔

先陣を切ったのはミルドだ。


ミルド「さぁ、我が主のお帰りだ。ジャマな神には暇をやろう。」


ミルドの剣の刀身がパキリと音を立てて崩れる。


極夜と同じ、真の刃が隠されていたのだ。


それは始まりであり、命を摘み取る最初の道具。


【剣型神器】ムンドゥス。


それは、数奇なことにかつてゼルディアが生きていた時代に使っていた武器だった。


ゼルディア「返せ、それは俺の武器だ!!」


ゼルディアの標的がミルドに変わり、右腕が迫る。


しかし、それをゼロが受け止めた。


手には人造盾型神器オブシディアンが握られている。


ゼロ「これ以上、誰も失わせない!!」


あらゆる攻撃を無効化する神の盾。


それを模倣した人造神器だがゼロはその力を最大限引き出した。


ゼルディア「愚者フール、てめぇは頭のねぇ空っぽだ。この戦いの戦況が読めてねぇ、お前たちは確実に負けるんだよ!!いまならまだ見逃してやる、こっちに来い。」


ゼロ「えぇ、私は確かに馬鹿です。過去の記憶に踊らされ、愛する主人を裏切った。」


ゼロは盾を構え、言い放つ。


ゼロ「でも、この戦いはマスターが、マスターと坊ちゃまが勝ちます。私が・・・、絶対に守り抜くので!!」


ゼルディア「バカ共がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ゼルディアの怒りが最高潮に達する。


その間、ミルドは静かに呼吸を落ち着かせていた。


ミルド「見せてやろう、神の剣の一撃を。」


鞘に剣を収め、ミルドから感じる魔力が0になる。


ミルド「弟子ばかりにかっこつけられては師匠の面目丸つぶれだからな。」


ユラリと、剣が抜かれる。


ミルド「九十九式・・・・・・。」


ゼルディアは慌ててよけようとする。


避ける?


神であるゼルディアはそのあふれんばかりのオーラに恐怖し、避けようとしたのだ。


ミルド「逃げられんよ。」


淡い桜が舞い散る。


否、それはゼルディアの血しぶきだった。


ミルド「九十九式・霧雨骸門・九十九聖伝】。


九十九発の斬撃が正確にゼルディアの胸部を抉る。


そして、


ミルド「一零零式・王華繚乱」


百撃目、ゼルディアは大きな傷跡を残した。


ゼルディア「バカな、この俺が!!この俺が傷を負うだと!?」


ミルド「まだ終わらんよ。」


ミルドの呼吸が再び落ち着きを保つ。


極夜も、仲間たちも皆が息をのむ。


これが神の剣、これが聖夜が一番信頼している仲間の腕前。


頂を食らった先に見えた境地がゼルディアを穿つ。


最も敬愛する人物の名前を冠する一撃、


ミルド「零式・聖夜天翔」


たった一度の斬撃。


爆発も魔力もなにもないただ一つの斬撃。


静かで、あっさりとした斬撃。


しかし、その剣に血が滴る。


ゼルディアの、神の血が。


ゼルディア「が、な、なんだ・・・と。」


極夜の剣が切り開いた道をたどるように流れたその一撃は、ゼルディアを真っ二つに斬り裂いた。

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