T-121 神成聖夜
終焉竜のそばにFが近づく。
もうFも戦う気はないようだ。
聖夜も力尽きたのかその場でゴロンと倒れた。
F「俺達はいつも諦めなかった、だから未来を掴んできた。俺は・・・・・・、なんで諦めちまったんだろうな。」
Fは終焉竜の肩に手を置く。
F「俺の嫉妬にお前を巻き込んですまない。」
終焉竜「いいんだ、俺もアイツに嫉妬してたからな。」
F「別々の運命を歩んだ俺達はもともとあった力を失い、新たな力を手に入れる。」
終焉竜とFの体が光り輝く。
F「俺も新たな運命を歩んだみたいだ。」
Fのエクストラスキルに変化が起きた。
仲間がいなくなり、腐敗したエクストラスキルが新たに【神を導く者】として生まれ変わった。
F「これがお前にできる最大限の情けだ。」
終焉竜が封印から消え去る。
聖夜「何したんだ?」
F「スキルを使って新たな運命を開いた。これでアイツは不運なG世界からH世界へ切り替わった。これでアイツは、終焉竜は仲間たちと再び会うことができるだろう。」
Fは消えかけの体で聖夜の方へ近づく。
F「言っておくが俺はお前には謝らないぞ。実際悪いのは俺だが、嫉妬してるのは今もだからな。」
聖夜「そうかよ、まぁ俺だもんな。」
F「あぁ、俺だからな。」
Fは封印から消えていった。
F「お前も、きっと仲間たちと会えるよ。」
聖夜は起き上がり、剣をしまう。
聖夜「好き勝手した挙句激励されるとはな。」
聖夜は今までの思い出を振り返った。
出会い、分かれ、そしてまた出会う。
奇妙な旅路だった、だが満足した旅だった。
俺の旅も、もうすぐ終わるんだな。
聖夜は何もない空間をじっと見つめている。
聖夜「思ったより早かったな。」
聖夜が視ていたところに扉が出現した。
それと同時に封印にヒビが入り、崩れていく。
もうこの封印が不要になった、だから崩壊しているのだろう。
扉が開き、少年が迎える。
一度自分から開けたことがある扉、しかし今度はあちらから開いてくれた。
聖夜はボロボロの少年の頭をなでる。
外は凄惨な光景で満ち溢れていた。
聖夜は扉の外へ一歩、足を進めた。
聖夜「じゃあな、終焉竜。いや、俺。」
封印と終焉竜に別れを告げ、聖夜は再び帰って来た。
ゼルディア「お前は・・・・・・。」
聖夜「帰って来たぜ、皆。」
男には様々な呼び名があった。
【暴食の裁人】【暴食の魔王】【神王】
そして、【神を喰らう者】。
残虐な神のもとへ、【神を喰らう者】神成聖夜が帰って来た。




