T-120 背中を押してくれる
終焉竜「お前は・・・、強いな。俺はもう前に進めない。最初からわかってたんだ、こんなことをしても俺は救われない、皆には会えない。でも・・・・・・この方法にすがるしか・・・なかったんだよ!!」
終焉竜の光球がさらにきらめきを増す。
50、100、150・・・、
無限に色が追加される光の球が表すのは破滅。
まだ未発見の属性まで混ぜ込まれた破滅はもう誰にも防げない。
F「・・・・・・。」
その光景をFは黙ってみていた。
何を考えているのか、それは誰にも分らない。
だが、泣いていた。
終焉竜「もういい加減死ねよ!!楽になろう!!俺達は・・・道を踏み外したんだ!!俺も、お前も、Fも!!みんな道を間違えた!!もういいだろ、こんな世界・・・、こんな悪夢無くなってしまえばいいんだ!!なくなれ、消えろ、終われ!!終われ!!」
終焉竜は色を追加するのを辞めた。
終わりが近づいてくる。
神成聖夜(G)「俺達は不幸になる運命なんだ!!そんな運命を受け入れるくらいなら・・・・・・、もう皆と会えないなら・・・・・・・・・こんな世界、消えてなくなれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
終焉竜の哀しみが、怒りが、憎悪が、終焉が、球体となり放出される。
その球が拡散すれば最期、この世界は終わりを迎えるだろう。
しかし、聖夜は笑っていた。
聖夜「お前の気持ちはわかる、F世界の俺もそうだ。」
F「・・・・・・?」
聖夜「確かに不幸だ、俺達はみんな仲間から引き離されて辛いよな。どの世界もそうなんてきっと俺達は世界から見放されてる、そういう運命なんだろうな。」
聖夜は魔剣を掲げる。
魔剣は変貌し、神器ゴグラマグラへと変わっていく。
世界を守る平和と守護の剣型神器。
聖夜「でもな!!」
聖夜は剣を光球へ思いっきり振りかざした。
聖夜「だから諦めるなんて・・・そんなの俺じゃねぇだろ!!」
剣と光が衝突する。
互角、互角なのだ。
終焉竜「なんで・・・、防げるんだ。俺の・・・・・・渾身の力を。お前ひとりで!!」
聖夜「一人じゃねぇよ、お前らもうすうす感じてんだろ。俺たちの背中に誰がいるか!!」
そうだ。
いままで聖夜たちがくじけそうになったことは何度もある。
そのたび助けてくれたのは、
F「仲間・・・・・・・・・・・・。」
聖夜「そうだ!!絆の力?上等じゃねぇか、それが俺の力になるなら遠慮なく使わせてもらおうじゃねぇか!!」
聖夜の剣が徐々に押しあがる。
聖夜「俺達は・・・・・・一人じゃねぇだろうがぁぁぁぁぁ!!!!!」
光球がはじけた。
500色の色が、終焉に染まった封印内を染め上げる。
終焉竜はその場にどさっと倒れた。
終焉竜「もう・・・・・・、いいや。」
長きにわたる終焉竜と神成聖夜の戦いは一撃で決着がついた。




