T-117 並行世界の神成聖夜
終焉竜の封印の中、神成聖夜は暮らしていた。
かつて世界を襲った終焉竜を封印するため、自らを犠牲にし今に至る。
この空間には聖夜と、そしてその体に入っていた【死神】アグナエルだけだ。
この絶望の空間の中、二人は
聖夜「だ・か・ら!!俺のミルドの方が絶対強いから!!」
死神「ふん、そんなもの我が同胞ハニエルに比べればカス以下だ!!」
どちらの友達が強いか言い争っていた。
聖夜「しっかし今外では何年経った?今頃俺の息子が泣いてるかもしんねぇのに。」
聖夜は一度極夜の力で外へ出た、しかしその当時は力の覚醒が不完全だったため再び封印の中に戻されたのだ。
その時にゼルディアが力を取り戻し、封印から逃れたのだ。
聖夜「俺の息子、極夜って名前めっちゃかっこよくない?顔も俺に似てイケメンだし将来有望だな~。」
死神「いつまで同じことをべらべらと言っている、いい加減聞き飽きたぞ。」
そんな団らんの中、突如として封印の中に何かが侵入した。
それは、神成聖夜だった。
聖夜「お、俺!?俺が封印の中に入って来た!?」
当の本人は大混乱している。
???「D、捜したよ。」
聖夜「誰かと間違ってねぇか?俺はダリアンでもドンキーでもドキンダムでもないぞ。」
???「Dというのはお前の名称だ、俺達はみんな神成聖夜なんだからな。」
男は白いスーツを着ており、見るからに胡散臭い。
F「初めまして、俺はF。お前とは違う末路を辿った神成聖夜だ。」
Fは話を続ける。
F「お前は初代神王ゼルディアを頼らず、自ら解決策を望もうとした神成聖夜。俺は父様を頼り、何もかもをあきらめて父様の庇護下に置かれた神成聖夜、ここまで言えばわかるか?」
聖夜「あ~、なんか一瞬迷ったけどそこで分岐したってわけか。」
F「そうだ、つまり俺は並行世界の俺だ。何の因果かお前が選んだ選択が正規世界となり、父様がそこで復活したんだ。」
聖夜「んで、お前は何のようで俺のところに来たんだ?まさかとは思うがここから出してくれたりすんの?」
F「冗談は態度だけにしろ、俺は父様復活の邪魔になるお前を殺すために来たんだ。」
Fがそういうと聖夜は立ち上がり、ベルゼブブのいない空っぽの魔剣を手に取る。
F「おっと、戦うのは俺じゃない。自慢じゃないが俺は父様の庇護下に置かれてから堕落したからな。」
Fは何かのクリスタルを地面に投げつける。
パキンと音が鳴った後、何かが出てくる。
それは三人目の聖夜、だが様子がおかしい。
身体のいたるところが以上に膨張し、魔剣から何かの血がとめどなくあふれている。
目に生気がなく、うつろな目で聖夜を見ていた。
F「お前は終焉竜を知っているな?」
聖夜「あ?現にその封印の中にいるんだろ。」
F「では、終焉竜はどこからやって来たと思う?ヒントは俺達だ。」
終焉竜の力は様々だが特に強力なのはあらゆる属性を融合させるエクストラスキルだ。
F「本来相反する属性や3つ以上の属性は混ぜれない。」
聖夜「あぁ、それは知ってる。」
ヒントの『俺達』という言葉が引っかかった。。
聖夜「おいおい、冗談は見た目だけにしろよ・・・。」
まがまがしい男は剣を掲げる。
すると時空が歪んだ感覚に等しい感覚を受け、火・水・風・土の属性が同じ剣に付与される。
F「そう、終焉竜は俺達カミナリセイヤだったんだよ。」




