T-100 星砕きの神器
デスペラードの体が脈を打ち始める。
ドクンドクン。
「た、確かにヒビをいれたはずだ。なぜまだ動く!?」
デスペラードの心臓から様々な神器が出現する。
ノコギリ、釣り竿、弓、盾など様々な神器が放出される。
「俺がその程度のヒビで死ぬわけないだろ。」
融合している。
デスペラードの肉体と神器が一体化している。
「ババアの優しさは俺が誰よりも知っている。お前はババアじゃ、母さんじゃない。」
デスペラードは一体化した体をガチャガチャと鳴らしながら指をさす。
「お前、ゼルディアだな。」
「・・・・・バレたか。」
アリシアの姿をしたそれはケタケタと笑う。
「まあバレたところで何の支障もないがな。壊滅した国からこのガワを捜すのには苦労したよ。」
ゼルディアは銃のような何かを取り出す。
「せっかくこいつでお前を人間を殺すだけの殺戮マシーンにしてやりたかったのによぁ。」
「そんなもの、俺には必要ないね。」
「なぜだ?お前は人間を心底恨んでいるのに。」
「確かに前までの俺だったらその銃に打たれてよかったんだがな。」
ゼルディアが急に空へ浮かびだす。
釣り糸で足が釣られているのだ。
「なぜ気づかなかった・・・、そうかガスか。」
「ガス型神器で一時的にお前の神経を麻痺させた。操った体なら反応も鈍るからな!!」
デスペラードは棍棒を取り出す。
「俺は確かに人間を恨んでる。でもな、母さんに顔向けできねえようなことはしないって今心に誓ったんだ!!」
デスペラードは棒型神器リノペルフォンを構える。
「【星砕】!!!!」
城が大きく揺れ動く。
土煙が晴れたその先には傷一つないアリシアの姿があった。
「こ、壊れてない?なんで?」
「ゼルディアの魂だけを破壊した。母さんにはきれいなままでいてほしいからな。」
「ママだけに?」
冗談を言う極夜をデスペラードがリノペルフォンで殴る。
「まあ成り行きだがここまで来たんだ、俺も一緒に戦わせてくれよ極夜。」
「うん、一緒に頑張ろう!!」
二人は固い握手を交わす。
だが極夜の下半身は殴られた衝撃で地面に埋まっていた。




