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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第八章、神に至る塔
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T-98 在りし日の思い出

「よしできた!!」


一人の女性が声を高らかにあげる。


それと同時に一人の生命が誕生した。


「貴方の名前は『デスペラード』!!私の息子よ。」


「むす・・・こ?」


「そう、私があなたの母親。よろしくね。」


彼女の名はアリシア。


後の【No.2】プリーステスである。






「ババア、今日の飯はなんだ?」


「ババアじゃないでしょ、昔はママって呼んでくれてたのにお母さん悲しい!!」


「だって・・・恥ずかしいもん・・・・・。」


「ん~かわいい!!世界一可愛いわ私の息子!!今日は豪勢にお肉よ!!」


食卓に牛のステーキがのせられる。


だがデスペラードの分だけだ。


アリシアは一人野菜を頬張っている。


「ババア、俺は人造人間ホムンクルスなんだから料理は食べなくていいんだ。肉はババアが食べろよ。」


「な~に言ってんの、子供はいっぱい食べないとだめでしょ。それに私はおなかいっぱいだから。」


デスペラードはこの言葉が嘘だと知っている。


アリシアはもう何日もまともなご飯を食べていない。


それは彼女が魔女と呼ばれているからだ。


他の人間から追われて生きており、くいっぷちがないためいつもご飯は一人分しか確保できていないのだ。


自分が贅沢するくらいなら息子に贅沢させる、それが彼女の生き方だ。


「・・・なんで泣いてるのデスペラード。」


「・・・俺、絶対母さんを幸せにしてあげる。いっぱい働いて母さんが追われなくてもいい暮らしにするから。」


「何言ってんの、私は今より贅沢な暮らしなんていらないわ。母親想いの息子が元気に育ってくれるならね。」


デスペラードもアリシアもこんなに平和な暮らしがいつまでも続いてほしいと願っていただろう。


しかし世界はそんな安い願いを聞き入れてくれなかった。





アリシアはついにとらえられてしまった。


デスペラードが必死に懇願したおかげかある一つの条件で魔女の処刑を取りやめにしてくれると行った。


その条件は『一か月以内に10億ルピア(日本円で10億円)持ってこい。』だった。

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