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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、破滅と暴食の魔王
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T-96 覚醒未遂

「張り合いねぇな。」


ベルゼブブは吹き飛ばされたデスペラードを持ってくる。


そしてなにか淡い緑の光がデスペラードを包むとデスペラードは起き上がった。


「なぁお前ら、ほんとにこれでゼルディアに勝てると思ってんのか?」


「ゼルディア……ってまさか極夜!!お前らゼルディアと戦おうとしてんのか!?」


そういえばデスペラードに何も話していなかったなと事の顛末をデスペラードに話す。


「いや無理だろ。ゼルディアに勝てるやつなんかいねぇよ。」


「その通りだ、俺様に負ける程度の実力で勝てるわけが無い。」


敵であるベルゼブブもいつの間にか話に混じっている。


「あいつに勝てるとしたら聖夜かその息子のお前くらいだろ。」


そう言って極夜の方を指さす。


「ぼ、僕?」


「100%ってわけじゃないぞ。他の奴らが0%ならお前は1%だけ可能性がある。」


「少ない……。」


「相手は神の王。いや、世界そのものだ。お前は1匹のプランクトンが人間に勝てると思うか?」


極夜は口を紡ぐ。


「そういう次元なんだよ、ゼルディアはよぉ。」


その言葉を聞いてミルドがクスリと笑う。


「お前……、もう隠す気ないのか。」


「あ、やべっ。あの方だあの方、ゼルディアって言ってたのなしで。」


「お前ほどの手練が主を裏切れるわけなかろうに。」


ベルゼブブはゼルディアについてなどなかった。


むしろその逆、敵側だ。


「ど、どういうこと?」


「俺たち悪魔ってのは契約を破棄するには本人同士の了承が必要なんだよ、だから契約が上書きされることは無い。それに俺様自身があいつのことが好きなんだよ、神成聖夜って男がよ。」


気づいたようにミルドが口を開く。


「急に皆のエクストラスキルが覚醒したこと、もしやお前か?」


「あぁ、俺様が極夜を媒介して聖夜の力を少しお前らに渡した。」


「覚醒って人為的にできるものなの?」


「可能だ。それには莫大な力を持つ生命の想いが必要だ。聖夜のガキへの想いが他の奴らに伝染したってことだ。」


「父さん……。」


会ったことのない父親。


でも何時でも僕を見守ってくれているようなそんな優しさを感じる。


父さんはいつも僕を助けてくれる。


だったら次は僕が父さんを助ける番だ。


「っつーわけで、俺の出番は終了だな。帰るわ。」


「ちょ、ちょっと待てよ!!俺の出番は!?」


デスペラードが抗議する。


その様子を見てベルゼブブは悲しそうな目でデスペラードを見る。


「お前には……、残酷な出番が待ってるさ。次のフロアでな。」


そう言い残し、ベルゼブブはその場を去った。


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