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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、破滅と暴食の魔王
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T-95 塔と悪魔

「その姿……、(タワー)か。」


「お前、悪魔(デーモン)か。ゼルディアのとこの。」


2人は面識があるらしい。


それもそのはず2人とも前世の記憶を得たもの達だからだ。


「お前が討伐対象か。」


「そうらしいな。」



2人は無言で衝突した。


鈍器と鍛え上げられた肉体。


そのふたつがぶつかり合い、強力な衝撃波を生み出す。


「くっくっく、戦いと言うのはどうしてこう心が高揚するのか。」


ベルゼブブは高らかに笑う。


「俺様はな、戦わないと生きていけないんだ。己の肉体をフルに活かし、相手と本気の戦いをする。それこそが俺のエゴであり夢なんだ。」


ベルゼブブは地面に手を置く。


「っつーわけで、とりあえずボルテージあげようぜ。」


辺り一体がおぞましい雰囲気に陥る。


メラメラと滾るオーラ。


吸い込む度に不安感が押し寄せる空気。


身を焦がす熱気。


「【ようこそ地獄へウェルカムトゥーマイホーム】、歓迎するぜ。」


ベルゼブブのエクストラスキル、【ようこそ地獄へウェルカムトゥーマイホーム】は一時的に空間をねじ曲げ、地獄に染め上げる。


地獄は悪魔が生まれ、育つ現世とはまた違う世界。


悪魔が生きやすい空間そのものだ。


「し、師匠。ベルゼブブはどれほどの実力なんですか?」


「私も実際に手合わせしたり見たことがないからなんとも言えないが1度主が言っていた。地獄でのベルゼブブは我ら主の従者の中でも一二を争う程の実力を持っていると。」


ベルゼブブの肉体が心做しか肥大化している。


デスペラードは箱型神器トゥータを構える。


「まぁやってるうちに有効な神器が見つかるはずだ。」


箱型神器から無数の神器が飛び出す。


その中の笛型神器を取り出す。


「お前ら耳塞いでな。」


極夜達は慌てて耳を塞ぐ。


刹那、耳を塞いでいても聞こえるけたたましい音が響き渡る。


耳を塞がなければ鼓膜が敗れ耳自体が機能を失いそうな轟音。


しかしベルゼブブは耳を塞ぐどころか欠伸(あくび)をしている。


「効果なしか、ならこれはどうだ。」


小さな小瓶をベルゼブブに投げる。


瓶が割れると紫色の煙がベルゼブブを覆う。


「毒型神器ニョロノフ、神すら殺す最凶最悪の毒ガスだ。」


そのガスを吸い込めば即死。


肌に触れてもドロドロと肉体が朽ち果てる。


世界最強の毒、それがこの神器だ。


煙が晴れるとそこにはまるで効いていないベルゼブブが立っている。


「……この程度で終わりか?じゃあ次は俺様の番な。」


その言葉が言い終わるより先にデスペラードの体は遥か彼方に吹き飛ばされた。


デスペラードはまだ自分が殴られたことに気づいていない。


光の速さを超えた拳。


しばらく時間が経つと遠くで絶叫が聞こえた。


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