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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第四章、正義の使者と太陽の天使
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T-87 混沌を喰らう者

何百、何千の攻撃が終わり、正義は剣を振るのをやめる。


「神成極夜、君が余計な挑発をしたからこうなった。あんなこと言わなければ今頃四肢は残っていただろうな。」


ゲッケイジュは体の原型を留めておらず、ただの血の水溜まりになっていた。


ルドベキアは怒りのあまり血の涙を流している。


オルルと極夜はただゲッケイジュだったものを見つめているだけだった。


「.............。」


ただ1人だけ、ミルドだけが正義の後ろを見ていた。


「正義やったわね。」


「あぁ、まず1人。さぁ次は誰が殺されたい!!」


ゲッケイジュが絶命したことにより結界が解かれ、ガブリエルが正義に抱きつく。


そんな様子を極夜達は黙って見ていることしか出来なかった。


ミルドを除いて。


「.....ふっ。」


突然ミルドが鼻で笑った。


「.....何がおかしい、七食の守護者達の面汚しが!!」


「失礼、あまりに滑稽で思わず笑ってしまった、主の自称お仲間さん。」


「何が言いたい!!」


「お前たち、前世の記憶に乗っ取られたのかと思ったら今世の記憶まで残ってるじゃないか。なぜそのまでゼルディアに心酔する。」


「決まっている、ゼルディア様のことは尊敬しているし聖夜とは友達だからだ。」


するとミルドは大笑いしだす。


「はっはっは、これほど笑ったのはいつぶりか。」


「何を笑ってるの、それ以上正義を笑ったら私があなたを殺すわよ。」


ガブリエルが殺意をむき出しにする。


「貴様ごときにこの私が倒せると思うな、小童が。」


ミルドの鋭い眼光。


周りの皆全員が緊張感に包まれた。


「それと、戦いはまだ終わっていない。」


正義はまさかと思い後ろを振り向く。


そこには正義に手を向けて立っているゲッケイジュがいた。


「放出。」


ゲッケイジュがそういった瞬間、光の斬撃が正義を切り裂いた。


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


正義は吹き飛ばされる。


「な、なぜ!!正義のオーラでできたこの鎧は正義の攻撃以外の影響を受けないはず!!それに貴様は死んだはずだ!!結界が剥がれている!!」


ゲッケイジュはニッと笑う。


「確かに僕は死んだ、一瞬だけね。」


「ど、どういうことだ!!」


「破壊の裏側は創造、痛みの裏側は快楽。僕の混沌(カオス)は進化して【覚醒エクストラスキル】へと進化した!!」


「か、覚醒エクストラスキル!?」


「覚醒エクストラスキルはエクストラスキルのさらに向こう側。その力が強化される場合と別の性質へと変化する場合がある。僕の覚醒エクストラスキル、【混沌を喰らう者(カオスイーター)】はあらゆるものを反転する。」


ゲッケイジュは覚醒エクストラスキルの能力で死の反対、生を生み出した。


だから死んだはずのゲッケイジュが生き返ったのだ。


「だ、だがなぜ俺に攻撃が通る!!」


「ま、まさか。」


ガブリエルは気づいてしまった。


正義のエクストラスキルの穴を。


「君が僕の攻撃を悪だと決めつけたんでしょ。だったらその悪の攻撃を反転させて正義の攻撃にした。」


ゲッケイジュは手のひらを合わせ、光の向きを反転させることで光球を作り出す。


「光の反対って何か知ってる?」


正義はゲッケイジュを殺そうと剣を振りかぶる。


「正解は闇。」


光の球はゲッケイジュの手から放たれ、果てしない闇を生み出した。


闇の球は正義を包み込み、そして正義ごと消滅させた。


「せ、正義!!」


「お前もだ、天使。」


ガブリエルは正義と共に深い闇のそこに落ちていった。


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