T-80 アマハラ
ゲッケイジュとの戦いの後、極夜はオルルやミルドと久しぶりに会った。
オルルは家からでてこなかったんじゃなくて強くなるためにミルドの元で修行をしていたそうだ。
混沌に咲く花リーダーのルドベキアは城の地下で服役中。
極夜やオルルは弁明したが世界転覆罪という罪状は消えないらしく、死刑は間逃れたものの無期懲役になった。
ゲッケイジュは自分も捕まるべきだと主張していたがルドベキア本人がゲッケイジュとは何の関係もないと言い、今は普通に学校に来ている。
久しぶりに三人で一緒にできるような平和が訪れた。
その平和はほんの少しだけの時間だったけど。
「それでさ、ドッコイが間違えて女子トイレに入っちゃって先生呼ばれて大惨事でさ。」
極夜とゲッケイジュがオルルにこの1年で何があったかを楽しそうに話している。
三人仲良く下校していた。
ガシャン
機械が倒れる音がした。
「おいおいゲッケイジュ、またモニター倒したのか?この前みたいに拉致はごめんだよ。」
「ん?僕じゃないよ。」
音のした方を振り向くと機械でできた球体が転がっていた。
その球体に取り付けられたモニターには『ERROR』と書かれている。
「これ…………アマハラ?」
その球体はかつて神成聖夜の墓で見つけた天之川翔の記憶を移植された機械、アマハラであった。
天之川が元の人間の姿を取り戻してからは見ていなかったが。
「なんでここにあるんだろ、しかも壊れてる。」
「すごい精密な機械だね、知り合いなの?」
「うん、父さんの友達なんだ。」
「でも壊れたままここに放置するのも可哀想だね、僕治してみようか?」
「直せるの?」
「簡単な機械修理はできるよ。反射の力を応用すれば電気信号とかも操れるし。」
「じゃあゲッケイジュの家行って修理してもらっていいかな。オルルもそれでいいよね。」
「うん、いいよ。」
こうして3人はゲッケイジュの家、もとい混沌に咲く花のアジトへ向かった。
「よし、修理できたよ。」
「ファントム拾った、ヘブンおるからモクたくわ。」
「了解ヨルのウルト使うね。」
『チュイーン 俺がやる。』
「人が頑張ってる時に…………。」
修理開始して3時間、オルルと極夜はゲームをしていた。
ゲッケイジュは2人にゲンコツを食らわし、修理していた部屋へと呼ぶ。
部屋の机の上には極夜が初めて会った時と同じ形になったアマハラが置いてあった。
「じゃあ電源つけるね。」
ゲッケイジュがカバーを外してボタンを押す。
しかしアマハラは動かない。
「ま、まさか人格にダメージ負って記憶忘れちゃったんじゃ…………、」
「ごめん電池入れ忘れてた。」
「電池で動くの!?」
ゲッケイジュがアマハラに単四電池を4本セットし、電源をつける。
するとパソコンの起動画面のようなものが写った後、顔文字がディスプレイに表示された。
「ん…………、ここは?」
「アマハラ!!無事でよかった。」
ディスプレイの顔がみるみるうちに青ざめていく。
「ま、まずい!!オリジナルを早く止めないと!!!!」




