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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第二章、花言葉は裏切り
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T-78 親友

「反射させるのはなにも自分の体だけじゃない、僕が触れた場所全てが反射対象だ。」


ゲッケイジュは地に足をつけている。


その地面も反射対象となり、その地面に接する壁も反射対象になる。


つまり室内ではゲッケイジュが反射できない場所はない。


よく見るとゲッケイジュの手のひらが火傷のように爛れている。


恐らく自分の体にも光が照射されているせいでダメージを受けているようだ。


「自分の体を傷つけてまで、そこまでして僕の血が欲しいのならいくらでもあげるよ!!だからもうやめようよ!!」


「ダメなんだ……。」


ゲッケイジュは再び手のひらを合わせる。


「致死量の血液が必要なんだ。君の合意があっても僕はそれを認めない、罪を自覚して前に進むために、平等な世界のために僕が手を汚すんだ!!」


「わかんないよ……、そんなに平等な世界が大事なのかよ!!」


「もう僕らみたいに傷ついて奪われるだけの子供達を見たくない。」


先程のレーザーより光量が多い。


その分ゲッケイジュの手が溶けるように爛れいていく。


「僕はみんなの幸せを願う、僕らが受けなかった幸せを僕が手を汚して掴み取るんだ!!」


放たれる閃光。


その光は正確に発射され、極夜がかわしたとしてもさらに勢いを増して反射してくる。


避けても避けても次が来る。


だったら、


「受け止めてやる!!」


極夜は義手でその光を受け止めた。


「!?」


「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」


極夜はその光を掴み、そして砕いた。


光は霧散し、日光のような温かさが辺りを包み込む。


「威力が足りなかった、ならさらに強い光を!!」


ゲッケイジュは口を開け、光を飲み込んだ。


その光は体内を通して両手のひらでは比べ物にならない回数反射する。


仮面の奥に見えた素顔はどこか悲しそうな表情だった。


「やめろゲッケイジュ!!手のひらが火傷するくらいの熱戦だぞ、体内で反射なんかしたらお前の体は!!」


「……いいんだ。」


ゲッケイジュの体から光が盛れだしている。


白い修道服が血に染まっていく。


「僕の体は子供の頃から傷だらけだ。だから今更傷が増えたところでどうだっていい。」


ゲッケイジュはモゴモゴと口の中から何かを吐き出す。


それは先程の光が体内で反射したもの。


唾液で覆われその中でも何万回と反射を繰り返している。


そんなものをここで発射すれば極夜もゲッケイジュも消し炭になる程の熱を放つだろう。


「なんで……相談しなかったんだよ。」


「そんなに親しい仲じゃないから。」


極夜は光を持ったゲッケイジュの腕を掴む。


そして何故かニカッと笑い、こう言った。


「お前、嘘ついてるだろ。」


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