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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第二章、花言葉は裏切り
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T-77 {カイツール}

「ほ、ほんとにゲッケイジュなの?」


「そうだよ。」


「最初から……僕らを騙そうとして近づいたの?」


「うん。最初から君の神の血と終焉竜の力が目当てだったよ。」


「僕達友達だったじゃん……。」


「……、僕にとってはそれも嘘だよ。」


「………………。」


極夜は拳を震わせながら俯く。


「攻撃してこないの?」


「だって…………、友達だと…………………。」


ゲッケイジュはため息をつく。


「甘いんだよ、極夜。この世界はそんな砂糖みたいに甘い考えじゃ生きていけない。」


極夜の腹を目掛けて拳が飛んでくる。


「ゲホッ!!」


「これでわかった?君は僕の敵、僕は君の敵なんだ。」


ゲッケイジュは銀色のメリケンサックを装着する。


「来いよ。」


極夜はよたよたと剣を杖代わりにして立ち上がる。


そして剣を放り投げた。


「?」


「男の喧嘩と言ったら拳と拳でしょ。」


「喧嘩?そんな生ぬるいものじゃない、これから始まるのは殺し合いだよ。」


ふっと油断したゲッケイジュの腹に拳が。


「っっっっ。」


「油断したなばーか。」


極夜は拳を握りしめる。


「やろうぜ、親友同士の喧嘩ってやつを。」


「まだ言ってるのか?僕とお前は友達なんかじゃない。」


「言ってろ、僕はお前と友達だと思ってる。だから剣は使わない。」


「死にたいみたいだね!!」


ゲッケイジュの拳が極夜の顔面を狙う。


それを極夜は義手の左手で受け止める。


「義手、強化仕様にしといて良かったよ。」


そのままゲッケイジュの拳を握り潰そうとする。


「うっ!!」


さすがに危ないと感じたゲッケイジュはバッと拳を振り払う。


そのすきに極夜はゲッケイジュとの距離をさらに縮める。


「顔面がら空きだよ!!」


極夜の右手がゲッケイジュの顔面にヒットする。


と、同時に極夜は吹き飛ばされた。


「いってぇぇぇぇぇ!!なんで殴った僕が吹っ飛んだんだ?」


ゲッケイジュはムクリと起き上がる。


「醜悪の混沌{カイツール}。僕はあらゆるものを1.1倍にして跳ね返す。」


ゲッケイジュは自分の手のひらと手のひらの間にスペースを作る。


「そろそろ本気を出させてもらうよ。」


出口前の廊下の天井に着いた光がゲッケイジュの手の間に差し込んでいる。


その光が手のひらで反射し、反射された光がもう片方の手のひらで反射される。


それがだんだんとら繰り返され、何回、何十回、何百回、何千回と1.1倍の力で跳ね返されている。


そしてその反射されまくった光が一気に極夜を襲った。


ただの電灯の光が加速し、光量を増し、まるで大砲のような威力の光のレーザービームが飛んできた。


極夜はそのレーザーをひらりとかわす。


「レーザーはもう見なれてるんだよ。」


「………。」


ゲッケイジュの放ったレーザーは極夜を外れ、壁に当たった。


と同時にその光が反射して再び極夜を襲った。


ジュウ


「うあっ!!」


レーザーは極夜の横っ腹を抉り、肉のやける音がした。


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