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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第二章、花言葉は裏切り
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T-76 ひび割れたモニター

終焉竜のオーラを感じた極夜は目が覚めた。


辺りを見渡すと知らない部屋。


そして自分が鎖で両手を縛られていることに気がついた。


「鎖?」


自分のみに何が起こったのかを遡ってみる。


ゲッケイジュと下校途中、モニターが倒れる音がした。


そしてその方を振り向くと目の前が真っ暗になって今に至る。


「拉致された?でもオルルじゃなくてなんで僕なんだ……。」


そういえばゲッケイジュは無事だろうか。


モニターが倒れていたということはゲッケイジュにも何か起こったということだろう。


極夜は自分が危機的状況にいても常に誰かを心配していた。


それが極夜の優しさであり弱点でもある。


「とにかくここを出よう。」


極夜はエクストラスキル【夜明けはもう来ないデイブレイクノットカム】を発動して天使と悪魔を呼ぶ。


「みんなごめん、この鎖外してくれない?」


そう頼むと天使と悪魔は協力して鎖を外してくれた。


「ありがとう、それとここがどこか知りたいから何人かは偵察、それ以外の子は一緒に着いてきて欲しいんだ。」


そういうと数体の天使が偵察に向い、残った悪魔は極夜のそばに着いてきた。


しばらくすると天使が帰ってきて脱出経路を思念伝達してくれた。


「ありがとう、ここから先は僕一人で行くよ。君たちに怪我でもあったら大変だからね。」


そういうと天使と悪魔達は門の中へ帰って行った。


極夜は出口に向かって慎重に歩く。


途中に同じ本を持った警備員が何人も倒れているのを確認した。


「この本……、カオス・ノミコンだ。」


以前アレイスターの書庫で見たことのある本を見つけ驚く。


これは混沌に咲く花という魔力根絶団体の教典だ。


魔力を持った人は見ても文字が書かれていない白紙の本だが魔力を持たない人が見ると文字が見えるようになる。


もくもくと出口に向かうとあっさり着いてしまった。


「これで終わりかな。」


フラグじみたことをいい極夜は出口を抜ける。


外に出るといつも通りの地上にたどり着いた。


わけはなく、モニターが1枚置かれた部屋にたどり着いた。


天使の情報ではここが出口なはずなのに。


モニターをよく見ていると移動用のローラーが着いたゲッケイジュのモニターだった。


画面の真ん中には大きなヒビが入っている。


「ゲッケイジュ!!大丈夫?」


モニターを揺さぶるとモニターが起動する。


「ん……、ここどこ?」


「僕ら拉致されたみたいなんだ。でももう大丈夫、一緒に帰ろう。」


ゲッケイジュは極夜に手を引かれ出口らしき場所へと向かう。


数十分後、EXITと書かれた扉を見つけた。


「着いたよゲッケイジュ。」


ゲッケイジュの方を向くとモニターの電源が落ちている。


電池切れだろうか。


「ねぇ極夜。」


電池切れのモニターから声が聞こえる。


他でもないゲッケイジュの声だ。


「自分の命か世界中の生物の幸せだったらどっちを選ぶ?」


「きゅ、急にどうしたの?」


「早く答えて。」


ゲッケイジュは鋭く突き刺さるような声でそういった。


極夜はその問答に怯えながらも迷わずこう答えた。


「両方かな。」


「………。」


「僕だって死にたくないしさ、でも世界中のみんなの幸せも捨て難いし。だったら両方を取れる選択をするかな。」


「……………………、極夜はほんとに素晴らしい人間だよね。」


突如、極夜を一筋の光が極夜の髪を掠めた。


「でもね、この世界にはそんな甘い答えはないんだよ。」


「ゲッケイ……ジュ?」


「今まで騙しててごめん。」


モニターから人が出てくる。


真っ白で美しい修道服を着てなにも書かれていない真っ白のお面、美しい白髪の少年だ。


「僕は混沌に咲く花創設者の1人、月桂樹(ゲッケイジュ)。これから君を殺す、ただの裏切り者だよ。」


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