T-70 僕の物語
終焉竜が討伐されて1年が経った。
倒された数日後に聖夜はオルクジャナスの核から見つかった。
でもどこか父さんらしさはなかった。
目が死んでいるというか生きている心地がないというか。
でも父さんの力で国は一月で国は復興した。
七食の守護者達の人達も帰ってきた。
理事長であるアレイスターさんを除いて。
国の人達はアレイスターさんのエクストラスキルで全員無事だったそうだ。
どこか別の空間に全員強制的に移動させていたらしい。
オルルはあれからずっと家にいる。
自分が国を滅ぼしたこと、父親であるアレイスターさんのことだと思う。
僕はオルルのせいじゃないよと何度も言ったけどオルルは家から出てこない。
ピンポンを鳴らしてもまるで留守みたいに反応がない。
師匠もあの日から「少し用が出来た。」って言ってどこかへと去っていった。
あの人なら何が起こっても無事だろうけど。
それと僕の左腕は義手にした。
師匠が去っていく前に作ってくれた特注品だ。
「国が滅んだって言うのになんで学校はあるんだよ……。」
「極夜は学校嫌いなの?」
「嫌いってわけじゃないけどさぁ……めんどくさいじゃん。」
僕は隣にいるモニターのゲッケイジュと一緒に下校中だ。
学校のみんなは最初は戸惑っていたけど1年経った今ではみんな普通に学校に行っている。
「それよりオルル、まだ学校来てないよね。なにかあったのかな?」
「……僕もわかんないや。」
国の人達はオルルが終焉竜オルクジャナスだってことを知らない。
だからこそオルルがなぜ引きこもっているのかを教えられない。
「じゃあ僕こっちだから、またね極夜。」
「うん、ゲッケイジュ。また明日学校でね。」
僕とゲッケイジュはT字路で分かれる。
僕はオルルが心配だ。
今日もう一度家によってみよう。
そう思っていると後ろでガシャンと音がした。
なにかが倒れる音。
後ろを振り返るとモニターが倒れていた。
ゲッケイジュのモニターだ。
「げ、ゲッケイジュ!!」
僕がモニターに駆け寄ろうとすると視界が暗くなる。
目を見開いているのに暗い。
まるで失明したように。
そのままわけも分からなく意識が遠のいた。
最後に聞こえたのは男の声。
「全ては平等な世界のために。」
「弟子2よ、早速その力を使う時が来たようだな。」
骨の男、ミルドはなにかの端末を見てオルルにそういう。
「どういうことですか、師匠。」
「極夜の義手につけていたバイタルに異常が発生した。」
「そ、それって。」
「極夜の身になにか起きたようだ。」
オルルは汗を拭う。
「今日の稽古は終わりだ、この1年で鍛えたお前の力を極夜を攫ったヤツらに見せてやれ。」
「はい!!頑張ります!!」
オルルは黒い槍を握ってそう言った。




