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世界のためなら何度でも  作者: 社長
終焉の章、悪夢再び
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T-63 師弟

「師匠!!」


「安心しろ、神聖魔術最高位の魔術壁だ。」


ミルドが魔術の壁を解くとそこには見たこともないような異様な光景が飛び込んできた。


空は赤く、海は白く染まり地は濁っている。


「この強大な力、恐らく終焉竜!!」


ミルドは剣を構える。


「終焉竜って……、まさかオルル!!」


漆黒の竜は大きく羽ばたき、咆哮する。


その咆哮に呼応するように天が裂けた。


その裂けた空からは無数の黒い球体が。


「極夜、よけれるか?」


「避けるって何をですか!?」


「あの黒い球体からだ。」


もう一度大きな咆哮。


それと同時に黒い球体から純黒のレーザービームが飛んできた。


それはミルド達を狙っている訳ではなく、あくまで無差別である。


光の速さで飛んでくるレーザー。


極夜は咄嗟に一式・白雷眼を使い目で追うことが出来た。


「復活の瞬間で国が壊滅か……。このまま野放しにすると世界の終焉は免れんだろうな。極夜、どうする?」


「そんなこと決まってるじゃないですか、師匠。」


極夜はバッテリーを緑に変える。


「オルルは僕の友達です。友達が苦しんでいるなら支える、それが友達ってもんでしょう。」


咆哮を繰り返すオルクジャナスはどこか苦しそうにもがいている。


「……さすが主の息子。いや、それでこそ我が弟子だ。」


ミルドが初めて極夜を弟子と呼んだ。


それだけで極夜は嬉しさで身を震わせる。


「やってやりましょうよ師匠!!僕たちの手でこの世界を、そしてオルルを助けましょう!!」


「ふん、あまり浮かれすぎるなよバカ弟子。」


ミルドは自分と極夜に防御魔術をかける。


「私があやつに攻撃を加える、お前は後ろから支援を頼む。」


「任せてくださいよ師匠!!」


ミルドは微かに微笑む。


ミルドは今まで極夜を聖夜と重ねてみていた。


この子供がやがて聖夜のようになるのを見守ろうと。


しかし極夜は聖夜とは違う方向に成長していった。


聖夜は自分を犠牲にして全てを掴み取る男だった。


自分が全てを背負えばいいと、自分が前に出てみんなを助けようとしていた。


しかし極夜は違う。


極夜は誰も犠牲になることはなく、全員を助けようとしている。


だから自分の信頼する人を頼った。


それ故に神成聖夜の息子としてでは無く一人の人間として、神成極夜という人間を見るようになった。


「さぁ行くぞ弟子よ!!」


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