T-61 円卓
円卓にアレイスターが座る。
円卓には既に七食の守護者たち、正義・ハジメ・ベルゼブブ・天之川・ゼロが座っていた。
「おや、天之川くんは実体の体ですか?」
「新調したんだ。昔の僕とそっくりでしょ。」
「えぇ、懐かしい姿です。」
天之川は機械の体ではなく、長く綺麗な水色髪の少女のような見た目になっている。
これこそが真の天之川の姿であり、かつてアレイスターと聖夜と共に冒険した時の姿だ。
「それより天之川、例のものはもうできているのですよね。」
天之川はニコッと笑い、虹色の液体を取り出す。
「アマハラの内部に残していた純度100%の終焉竜オルクジャナスのDNAだ。これをオルルに注入すれば完全体の終焉竜がこの世に復活する。」
「その復活したオルクジャナスをぶち殺す。そしてら一緒に封印されていたあの御方が降臨するってわけだな。」
ハジメがリボルバーの手入れをしながらそう言う。
「嗚呼、もうすぐです。もうすぐあの御方と再び相見えるのですね。」
ゼロが祈るように手を組む。
「この世に真の世界平和が生まれるのだな!!むぅぅぅん!!!興奮してきたぞ!!!!」
「ハハッ、またあいつと暴れてぇな。」
正義とベルゼブブも感極まり、席から立つ。
「!?」
アレイスターが注射器に入った虹色の液体を見て驚いた表情をする。
「あ、天之川くん。今その液体に空気のようなものが入っていたぞ。」
「え?そんなはずはないよ。」
終焉竜のDNAはその強さからは信じられないほどに脆い。
空気に少し触れるだけで崩壊し、一瞬で消えてなくなる。
「ちょっとよく見せてください。」
アレイスターは天之川から注射器を受け取る。
「そんなはずはないんだけどな。」
「…………。」
アレイスターは注射器をまじまじと見つめる。
そして、
思いっきり地面に注射器を叩きつけた。
パリィィィィィン!!!!
ガラスが砕け散る音がする。
「なっ!?」
中に入っていた液体は空気に触れてあっという間に霧散した。
「な、な、な、何をやっているの!!」
ゼロがアレイスターの首を掴む。
「ははは、嫌だな〜。手が滑っただけですよ。」
「わ、わかっているのかアレイスター!!君が今やった事はあの御方
の降臨を妨害したんだぞ!!」
「ふふっ。」
アレイスターは鼻で笑う。
「あの御方あの御方って馬鹿みたいに連呼してさ。君ら頭打ったんじゃないの?」
「こ、殺す!!」
アレイスター以外の5人は戦闘態勢になる。
「どうやら君らと私では目的が違うみたいだ。この間、前世の記憶が戻ってから君らはなにかに取りつかれたみたいにあの御方ばっか言ってさ。」
ゼロが首を絞める力を強くする。
「ぐっ、それに私に前世の記憶が入ってきた時になにか別の悪意のようなものが侵入しようとしてきたのを覚えている。私にはそんなもの効かないけど君らもしかしてそれのせいで洗脳されちゃった?」
「天之川!!変えがあるだろ!!早くオルルに注射しろ!!」
「変えだと!?」
天之川は急いで変えの注射器を取り出す。
「ぐっ、楽園に帰れ!!」
アレイスターがゼロの腕を引っ掻くと腕は綺麗になくなった。
「うぐっ!!」
アレイスターは倒れたオルルを抱き、一瞬で転移する。
「ちっ、逃げられた。」
「絶対に逃がさない、ようやく手に入れたこの好機を無駄にするか!!」




