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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、恩人へ安らかな終焉を
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T-60 記憶

おかしい。


自分が自分で無くなる感覚がする。


デスペラードが言っていた前世の力のせいだと思う。


前世の力と同時に少しだけ記憶が戻ってきた。


自分が死ぬ記憶。


殺した相手の顔は見えないが前世がある以上死んだことがあるのだ。


死んだ記憶は必ずあるはずだ。


自分がいかに残酷で無惨に殺されたかが見えた。


何度も刃物を突き刺さされて捨てられた。


その記憶と同時になにか嫌な感情が溢れてしまう。


前世の記憶と一緒に誰かの悪意が混ざってしまったようだ。


そして極夜が帰ってきたとき、グラトニアスである事件が起こったようだ。


まずゼロを含めて七食の守護者達レインボーガーディアンズ全員が行方をくらました。


アレイスターもアマハラ(天之川)もゼロもベルゼブブも。







「皆が失踪か……。」


ミルドは静かに剣を磨く。


「そうですよ、おかしくないですか?」


「……そうだな。」


ミルドはなにかもったいぶったようにそう言った。


「師匠、なにか隠してますね?」


「…………。」


「なんでもいいんです。こんな一日で師匠と母さん以外の父さんの関係者がみんないなくなったんですよ。おかしいじゃないですか!!」


「……。」


「一緒にラスカノンに行っていたゼロさんも僕が前世の記憶を引き継いだ後に姿を消したんです。なにか関係があるんじゃないですか?」


「……、記憶を見たのか。」


ミルドは剣を鞘に収める。


「……お前の記憶を引き出したのは恐らくゼロだ。」


「ゼロさんが!?」


「私も恐らく同時刻、いやお前が記憶を取り戻す前に精神に何かが侵入するのを感じた。」


ミルドは静かに茶をすする。


「その何かはわからんがそれと同時期に前世と前前世の記憶を取り戻した。」


「前前世?」


「私は過去に3度死んでいる。それがお前の見た記憶の時代とこの時代に2回。今の私は主に魂を拾っていただき、竜の骨を依代に私はこの世に再び生を受けた。」


「そしてその後父さんと一緒に戦った時にアレイスターさんの部下に殺されてエクストラスキルによって生き返ったんですよね。」


「……頭が悪いわりには記憶は発達しているな。」


「あ、頭悪くないです!!クラスでは平均点くらいで。」


「冗談だ、お詫びに神聖魔術をプレゼントしよう。」


「やめてくださいよ!!僕は聖属性の攻撃が弱点だって言ったじゃないですか!!」


「ハッハッハ、そういう弱点は主から遺伝しているのか。」


「もう!!僕帰ります!!」


「!?待て極夜!!」


ミルドが勢いよく極夜を引っ張り、神聖魔術の防護壁をはる。


その瞬間、聞き覚えのある轟音と共に国が滅んだ。


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