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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第四章、混沌の兆し
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T-51 弁償請求

それと同時にカオスノミコンがボッと燃え始めた。


「うわぁ!?」


「この感じ、ただの炎魔術じゃないぞ。極夜くん、本を捨てるんだ!!」


極夜は急いで手を離す。


アレイスターは水魔術で消化しようとするが、


「き、効かない!?」


火はどんどんと燃え広がり、地下室の本にも燃え始める。


「あぁぁぁあ!!!私の集めたエッチな本が!!」


「今はそんなことどうでもいいでしょ!!」


アレイスターと極夜は地下室の扉をバタンと閉める。


「結構お気に入りだったんだけどな。」


アレイスターは手をギュッと握る。


すると先ほどまであった地下室の扉がなくなり、ただの壁になっていた。


「???」


「さ、これでもう火の心配は無くなったね。上にあがろうか。」


「い、今何やったんですか?」


「んー。」


アレイスターはしばらく考えた後、


「秘密♡」


そう言った。







後日極夜宛に手紙が届いた。





『地下室と中の本の弁償額、10億ルピア(この世界のお金の単位、1円=1ルピア)だったから支払いよろしくね。高いと思うけどこれでも絞った方だよ、もう今は存在しない本もあったし。とりあえず私の口座書いとくから振り込んどいてね。   アレイスター』



「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」


極夜は手紙をビリビリに破る。


「あれは事故でしょ!!それに僕だってやりたくてやったわけじゃないしそもそもあの本が悪いでしょ!!!!あの本書いた人に請求してよ!!!!」



極夜はベットにダイブする。


「やってらんねー、こんなこと母さんに言ったら怒られるしかと言って手持ちのお小遣いは1000万ルピアくらいだしどうしよう。」


『そんな君にいい仕事を用意したよ!!』


突然破った手紙から声がした。


その声の主はもちろんアレイスター。


「仕事?」


『そう、君も知っている通り私の娘は世界一可愛い。だからそれを狙って沢山の()が動いてるんだ。』


「それは可愛さじゃなくて魔力を求めてですよね。」


「そこで君に頼みたいことがある。」


「弁償があるから断れない状況に持ってくるなんて卑怯ですよ。」


「......ラスカノンを壊滅させろ。」


その一言で世界が凍り付いたような気がした。


さっきまで笑えていた空気が凍っておちてしまった。


「あ、あんた何言ってるのかわかってるんですか?国を壊滅させるってことはその国に住んでいる人を皆殺しにするってことなんですよ!?」


「そう言っているのだが?」


「なっ......あんたに人の心はないんですか!!」


「ないね、そんなものがあったのなら僕は300年前に死んでいる。アマノガワくんも聖夜くんもね。それよりもうそろそろだね。」


パリ――ン!!


ガラスが割れる音がした。


おそらく二階、二階にはオルルのの部屋が。


「まさか!!」


極夜がオルルの部屋の扉を開けるとそこにオルルの姿はなく、窓ガラスが割れていた。


「これで行く理由ができたね。」


「それでも父親かよ。」


アレイスターは明らかにオルルがさらわれることを知っていたような口ぶりだった。


極夜は窓に近寄る。


「あんたに人の心がないことはわかったよ。でもあんたと父さんは違う、同列に扱うな。」


極夜は窓から飛び降りて家へ帰っていった。


「・・・・・・・娘を頼んだよ。」

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