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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第四章、混沌の兆し
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T-49 エロ本

「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


アレイスターの部屋の地下には大量のエロ本が並べられた部屋だった。


「あ、アレイスターさん。これ全部あなたが集めたんですか!?」


「あぁ、古今東西全てのエロ本がここにある。もちろん異世界のものもね。」


「か、借りていっても?」


「娘や結衣にはバレるなよ。」


「ありがとうございます!!!!」


極夜はエロ本を収納バッグに詰め込む。


何冊かエロ本を詰めたところである違和感を感じる。


そう、今手に取ったこの本だけ異常な魔力を検知したのだ。


「うぐっ!!」


極夜はその本を思わず地面に落としてしまう。


まるで世界中の『恐怖』を圧縮して本にしたような、そんな感じがした。


「アレイスターさん、これは一体?」


アレイスターはその本を拾い上げる。


「すまない、この本はちょっといわく付きでね。」


アレイスターはその本を隠すように仕舞い込む。


「なんなんですかその本は、教えてください!!」


アレイスターはしばらく黙り込む。


そして観念したように深いため息を吐いた。


「君を巻き込むつもりはなかったんだ、許してくれ。」


アレイスターが指をパチンと鳴らすとエロ本が何冊か空へ浮かぶ。


そしてその本達のカバーが剥がれ落ちた。


カバーの中はエロ本ではなく、おぞましい何かの本。


かろうじて読めた一冊の本のタイトルには『混沌術書カオスノミコン』と書かれていた。


「カオス……ノミコン?」


「!?なぜこの言語が読めるんだ!!」


アレイスターは極夜の肩を掴む。


「い、痛っ。」


「す、すまない。」


アレイスターは落ち着きを取り戻して眼鏡をくいっとあげ、空に浮いた一冊の本を手に取る。


「この本は君の読んだ通り、『混沌術書カオスノミコン』という。混沌カオスという概念について書かれた本だ。そして書かれたのはつい最近と言われている。ここには世界を破滅する術さえ書かれている、しかしこれは世に出回ってしまったんだ。」


「世界を破滅させる方法が載ってるのに世に出回ったんですか?」


「そう、でもこれが出版停止されるまで1年もかかってしまった。なぜだと思う?」


「?…………わからないです。」


「この本はなぜか極夜くんは読めるみたいだけど普通の人は読めないんだ。」


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