T-46 【世界は廻り続ける】
「ぬぅ!?貴様は!!」
アマハラの姿となった天之川がサンダルフォンの前に立つ。
「その気配、その魂。貴様天之川翔だな!!」
「あぁそうだ。」
「300年前はよくも我を倒してくれたな。しかし新たな力を手に入れた我は誰にも止められん!!!!」
サンダルフォンが手を前に突き出すと黒い渦が出来上がる。
「エクストラスキルは進化し特性が変化することがある。これが我の新たなエクストラスキル、【聖なる樹の天命】だ!!」
サンダルフォンが渦の中に入るとサンダルフォンの気配が消える。
そして空間中に渦が出現し、そこからサンダルフォンが入ったりでたりを繰り返す。
「フハハハハ!!!!このエクストラスキルは『並行世界を越える』ことができる。我がどこから出てくるかなど絶対にわから
ドスっ!!
「が……ぁぁぁぁぁ!!!!???」
サンダルフォンに魔力でできた刃が突き刺さる。
「僕は時を止めれる。たとえ君が並行世界を越えようが関係ない、君がこの世界に戻ってきた瞬間に時を止めればいいだけだ。」
「おのれおのれ!!!!」
サンダルフォンは再び並行世界に逃げ込む。
しかし今度はなかなか出てこない。
「終わりだ!!」
声が一瞬聞こえた後、光の剣が渦から大量に出現する。
「その魔術の弱点なら知っているぞ!!時が止まっている間は魔力を回復することはない。たとえ時を止めてもこの量の光の剣は対処できん!!!!」
「…………。」
「死ね天之川翔!!!!我は王天使最強。いや、我こそが神だ!!!!」
光の剣が天之川めがけて飛んでくる。
しかし、
カランカラン
光の剣は全て天之川に届く前に落とされた。
「…………は?」
天之川はアームをウィンウィンと動かす。
「エクストラスキルが進化したのは君だけじゃないよ。」
時が止まっていないのにも関わらず、サンダルフォンは呆けて動かない。
「僕の新たなエクストラスキル、【世界は廻り続ける】。この能力は魔力が減ったと同時にそれを上回る速度で回復する。そしてこの力は止まった時の中でも発動する。」
つまり天之川はどれだけ魔術を使っても魔力切れを起こさない。
たとえ時が止まっていても。
「そ、そんなバカな……。我は最強の…………。」
「僕の方が強かったってことさ。」
天之川はナイフを一本サンダルフォンに投げる。
そして次の瞬間一本だったナイフが500本に増え、サンダルフォンを突き刺した。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!我はぁぁぁぁぁぁ、神なのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!」
天之川は鼻で笑い、一言呟いた。
「はっ、こんな弱い神がいるわけないでしょ。」
サンダルフォンはチリとなって消えていった。
それと同時に謎の空間が歪み、気づけば元の部屋に戻っていた。




