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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第一章、ねじれた歯車はどこへ行く
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T-35 上位測定器

極夜は自室のベットで仰向けに寝転がる。


あの後保健室に行ったが特に何もなかったようだ。


過保護な学園長が早退させたが。


そもそもなぜオルルが学園にいるということがバレていたのだろう。


「……母さんなら何か知ってるかな。」


極夜は立ち上がり、母の部屋まで移動する。


そして母の部屋を優しくノックする。


「入っていいわ。」


扉を開けると眼鏡をかけて執務中の母ともう一人。


背は180cm程あり、金髪青目の無表情で黒スーツを纏っている。


彼女の名はゼロ。


七食の守護者レインボーガーディアンズ】の一人、【有限を喰らう者(リミテッドイーター)】という二つ名を持つゴーレムだ。


極夜の父である神成聖夜に仕えていた従者の一人であり、現騎士団長レイドの母親でもある。


「お久しぶりです王子。」


「ゼロさん、王子はやめてって。」


「失礼しました、極夜様。」


「極夜、こんな時間に珍しいわね。」


極夜の母親、結衣ユイはペンを止める。


「母さん、ちょっと話があるんだ。」


「それは……あの子(オルル)のこと?」


「なんでわかったの?」


「子供の考えてることなんて親はわかるものなのよ。」


極夜はオルルがなぜあの場にいたのかを知られていたのかということを詳しく聞いた。


すると結衣は時計のようなメーターを取り出す。


「これは『ランク測定器』の上位版で国宝級の価値がある『個別指定ランク測定器』。普通の測定器は一定の範囲を計算するから大気中の魔力が濃ければ少し高い数値になり、魔力しか測れないから剣術などに長けている人間を見極めることができないの。」


結衣は試しに極夜に普通の測定器を使う。


メーターは一番下のCとなっていた。


そして次に上位版測定器を使う。


するとランクは上から二番目のSランクと出ていた。


しかしSの中でも下らへんなのでS-だ。


「あれ、ランクってSが一番上じゃないの?」


「一般的にはね。本当に強い人は魔力を意図的に下げることでランクを隠蔽することもできるんだけどこれはその隠蔽を許さない。内に秘められた魔力も見極められる。だから普通の測定器ではわからないSランクよりさらに上のランク、『Xランク』が設けられたの。」


極夜は測定器を借りて結衣とゼロを見てみる。


すると結衣は『S+ランク』、ゼロは『X-ランク』と出ていた。


「すごい、ゼロさんってXランクなんだ。」


「これくらい王の護衛ならば当然です。それに【七食の守護者レインボーガーディアンズ】にはもっと上の人もいますよ。」


「ちょっと話が逸れたわね。それでこの上位測定器、強大な国には一つずつ持ってるの。」


「つまり?」


「つまりこの国の膨大な魔力を持った人が他の国にはバレていてその人を狙っているってことよ。」


「膨大な魔力を持つ人ってまさか…………。」


「そう、オルルちゃんよ。」


「な、なんでオルルが狙われてるの?」


「オルルちゃんには封印から漏れ出した力の塊でも大量の魔力が蓄積されている。その膨大な魔力が欲しいのよ。何に使うのかわからないけど。」


「使われるって?」


「解剖したり実験したりすると思うわ。私たちが想像もできないような酷いことをね。」


「…………ちょ、ちょっと外の空気吸ってくる。」


極夜はふらふらと外に出た。


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