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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第一章、ねじれた歯車はどこへ行く
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T-34 オルクジャナスの決意

「オルル、体調はどう?」


「おかげさまで調子いいわ。」


オルクジャナスはいつも通りのニコニコ笑顔で登校した。


「おはようございます極夜さん!!お荷物お持ちいたします!!!」


「おう。」


「…………、ツキ君極夜と何かあったの?」


「溺れてる極夜の写真撮ってたらブチギレられてさ〜、許して欲しかったら一日中こうしろって。」


「ゲッケイジュくん?言葉遣いが直ってないよ?」


「す、すみませぇぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁモニターがミシミシ言ってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」


極夜の握力でモニターの端っこがミシミシと音を立てる。


オルクジャナスはそんな光景を微笑ましく眺めていた。


これが普通。


私もこの普通に馴染んでいるはずだと。



『力から逃げるな。』



声が頭から離れない。


あの力を使ってからたまに声が聞こえる。


気を抜けば飲み込まれそうな深淵の中から。



『聞こえているんだろう?力から逃げるな。』


「!?」


一瞬気が緩んだ。


その拍子にオルクジャナスの世界は暗闇に覆われた。


暗闇の中から人型の黒いモヤが現れる。


『力から逃げるな。』


「あ、あなたは誰なの?」


『理解してるんだろう?俺はお前、終焉竜の本体だ。』


【終焉竜】オルクジャナス。


その凶悪な竜の力が封印から漏れ出した姿が今の女性の姿のオルクジャナス、オルルだ。


「力から逃げるなってどう言うこと?私は逃げたりなんてしていない、あなたを封じ込めているのよ。極夜のお父さんが自分を投げ出してまで施した封印。そこから漏れ出した私はあなたを閉じ込める義務がある。力を使えばその分あなたがこちら側に干渉してくるのを私は知っているから。」


『……生物には感情というものがある。虫も、人間も、植物も、その他大勢の動物もな。俺には殆どの感情がない。あるのは深い闇の感情だけだ。』


黒いモヤは頭をぼりぼりとかきむしる。


頭から黒い粒子が崩れ落ちる。


『俺の中の微かな《良心》、お前さえいなければ俺は完璧な生物になれた!!お前さえいなければ、オマエサエイナケレバァァァァァァァァ!!!!!!!!』


「私はもうこれ以上あなたの力は使わない。消えなさい、悪の私。」


オルルが強くそういうと闇が晴れた。


闇が晴れた世界ではまだゲッケイジュと極夜が掴み合いをしていた。


これでいい、私はもうあの力は使わない。


「……オルル、血が出てる。」


「え?」


そう決意したオルルの目からは血涙が溢れていた。

























『チカラカラニゲルナ。』


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