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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、終焉の力
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T-31 時の中の人間

四つ腕は混乱していた。


自分の下半身を眺めながら。


たしかに切られた、でも意識はある、でも動けない。


「神成……極夜ぁぁぁぁぁ!!!!」


四つ腕は自分が死ぬことをわかっていた。


どうせ死ぬなら最後に神の教えを少しでも守らなければ。


四つ腕の頭の中には『全て壊す』で埋め尽くされていた。


そして懐に忍ばせておいた銃を極夜に向かって撃った。


「死ねっ、神成極夜!!!!」


銃弾が極夜の体を貫く寸前、




カチッ




時計の音と共に世界の時間が止まった。


そしてどこからともなく水色の長い髪を持った女性が銃弾の元に歩いていく。


そして何かの薬品を取り出し、銃弾を溶かした。


「……詰めが甘いよ、極夜。」


女性は極夜の頬を優しく撫でる。


「やっぱり近くで見ると美しい、まるで聖夜の生き写しだよ。」


女性は空へ舞う。


「さぁ、時は動き出す。」





カチッ


再び時計の音がすると時間は再び動き始めた。


極夜の後ろでジュワッと何かが解ける音がする。


「な!?」


四つ腕の手が震え出す。


「……まだ戦意あったんだ。」


極夜は再び四つ腕の前に立つ。


「ま、待ってくれ。お願いだ!!俺には帰りを待ってる妻と子供がいるんだ!!だから、」



スパァァァァァァァァァァァン!!!!!



四つ腕は縦に真っ二つになり、絶命した。


いや、その前に既に一本のナイフが心臓に突き刺さっていた。


「極夜、君が殺す必要なんかないよ。君には綺麗なまま生きててほしい。」


「……ありがとう。」


絡繰はシュルシュルとキーホルダーサイズに縮小する。


これが《白雷機剣》絡繰の本来の姿だ。


バッテリーを消費して大きくしたり形を変えることができる。


バッテリーはバッテリーケースに入れて家のコンセントで充電できる優れものだ。


「あ、こんなことしてる場合じゃない。早くオルルを助けにいかなきゃ!!」


まだ港に船はついていない。


しかし奥で囚われているであろうオルクジャナスを助けるため極夜が一歩踏み出したその時、



ボッ



小さい爆発音。


それと同時に港がなくなった。


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