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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、終焉の力
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T-29 歯車は噛み合う

「あれ、この剣ってさっきこんな形だったっけ。」


「よそ見とはいいご身分だな。」


瞬きの一瞬で怒り狂った四つ腕は僕のすぐそばにまで近づいていた。


「は、はやっ!!」


ビキビキに肥大化された腕での渾身の一撃をお腹にくらってしまう。


「ごぁっ!!」


一瞬で僕の胃液が吐き出る。


そして僕の体が吹き飛ぶ前にもう一本の腕からの同じ力のパンチ、そのダメージが残ってる間にまたもう一本の腕が。


「ぶはははは。これが俺の渾身の一撃、《金剛ラッシュ》!!」


ひたすら殴られ、そのまま僕は海に吹き飛ばされた。


幸い頭は殴られなかったからなんとか意識を保てた。


しかし体は悲鳴をあげている。


一発でもあのパンチを頭にくらっていたら死んでいた。


体を動かせずどんどん海の底に沈んでいく。


港近くだからそこまで深くはないがここから上がれる自信はない。


海底にゆっくりと体を打ち付けられる。


隣には銃やドラム缶が沈んでいた。




ガチャリ



握っていた剣がまた音をたてる。


『小僧、お前は剣をなんだと考える?』


骸骨さんと会った時のことを思い出す。


僕にとって剣は、


「邪魔なやつをぶっ飛ばすためのものだ。」


僕の剣、《呪機剣》カラクリがの装飾だと思っていた歯車が廻り出す。


人は剣を選び、剣は人を選ぶ。


カラクリが僕に応えようとしている。


「なけなしの魔力をあげるよ。」


僕の少ない魔力を分け与える。


歯車はさらに廻転を早めていく。


そして、



ガチン!!!!




カラクリの中で何かがうまく噛み合った音がした。










「教主様、私は無事です。はい、すぐに例の少女を予想します。」


四つ腕は電話を切る。


電話の相手は【破壊神】ゾル=エグ=カルナを崇拝する《崩壊教》の教主だ。


《崩壊教》はこのグラトニアスではあまり有名ではないが海を超えた先にある《転移王国》ラスカノンという国の国教として崇拝されている。



ザブッ



海が波立つ。


「なんだ?今日は海が荒れないはずなんだけどな。」


海がどんどん波をたたせ、巨大な渦を造る。


「な、な、なんだこれ!?」


そして渦から出てきたのは人間だった。


いや、人間と呼ぶべきなのかわからない。


なぜならそいつはさっき四つ腕が海の底に沈めたはずだからだ。


「お前、なんで。」


「…………。」


海から出てきた男、神成極夜はボソッと一言。


「今度はお前を海に沈めてやるよ。」


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