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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第五章、体育祭
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T-23 大人

クラスの女子たちを振り切って僕はバルコニーに出る。


そこには月明かりに照らされたオルルがワイングラス片手に月を眺めていた。

(この世界では10歳から酒もタバコもOKです。未成年の飲酒、喫煙はダメだよ!! by作者)


「オルル……。」


「あれ、モテモテの極夜さんじゃないですか。」


明らかに怒ってる。


「もしかして嫉妬した?」


「なっ、そんなんじゃないから!!」


オルルはワインを一口口に含む。


なぜ、僕はクラスの女子たちよりこの女性を選んだのだろう。


まだ出会って一ヶ月少ししかたっていないのに。


「それで、私に何か用?」


「いや、特に何もないよ。」


僕は自然とオルルのそばに立ち、近くのウェイターを読んでジュースをもらう。


「極夜ってお酒だめなんだ。」


「うん、すぐに気持ち悪くなっちゃうし。それにあの苦味が嫌いなんだ。」


「まだまだ子供ね。」


「…………。」


僕はタバコを取り出して火をつける。


「お酒はだめなのにタバコは吸うの?」


「だめ?」


「だめ。」


「ははっ、母さんにも言われたよ。」


オルルに煙を吸わせないために少し離れた場所に移動する。


タバコの煙を肺に入れる。


あぁ、気分がいい。


「まぁ滅多に吸わないけどさ。今日くらい吸わせてよ。」


「そうね、極夜大活躍だったし。あんな力持ってたのね。」


「うん、僕は元々魔力を全く持たずに生まれてきた。一般の家庭だったら捨てられるレベルの忌み子さ。でも母さんは僕を大切に育ててくれた。魔力も持たない子供のために一生懸命働いてね。」


タバコの灰を灰皿にトントンと叩き落とす。


「僕、王族なんだ。」


「知ってた。」


「え!?」


驚きのあまりタバコの煙が変なところに入ってむせかえる。


「な、なんで知ってるの?」


「そりゃわかるよ。ファミリーネームが臨時国王さんと同じだし、弁当豪華だし、下校時の帰り道の方角お城しかないし、食べ物食べるの上品だし。」


バレてたのか。


国王の息子がこんな落ちこぼれって知られたくなかったから素性を隠していたのに。


「でも極夜が王族だからって今まで通り接するからね、私無礼だし。」


「そうしてくれると助かるよ。」


タバコの火を消してジュースを飲む。


「僕の父親、死亡したって言われてるんだ。」


「国王さんでしょ、お墓がどこかの異次元にあって親族しか入れないとか。」


「あれ実は生きてるって言われたんだ。でもその伝えてくれた友達はどこかにいっちゃって連絡取れなくて。でも学園長が何か知ってる風なんだ、だから話したいな〜って思うんだけど何か方法ないかな。」


「それならわたしから言っとくよ。」


「でも学園長ってあんまり学校にいないらしいしどうやって話すの?」


「そっか、言ってなかったね。」


オルルはワインを一気に飲み干す。


「わたし、学園長の娘。」


「……………え?」


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