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世界のためなら何度でも  作者: 社長
終焉の章、絶望の権化・【終焉竜】オルクジャナス
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D-78 手紙

アレイスターは指輪と共に落ちていた手紙を読んだ。







 バカ二人へ


落下中に書いたから字汚くてごめん。

先に謝っておくとこの手紙をお前らが読むってことは俺は一人で何も言わずに終焉竜を封印したってことだろう。

封印の詳細は簡単で俺を壁にして終焉竜を包むように封印する方法だ。

でも心配しないでほしい、俺は絶対帰ってくるって約束する。

だから先に未来の時間軸で待っていてくれ。

300年も有れば終焉竜を残して俺だけを封印から解くこともできるだろう。

勝手だけどその時まで俺のことを待っていてほしい。

それと未来に帰ったら結衣達にこのことを伝えてほしい。

一応それっぽいことは言ったけど伝わってない可能性もあるからな。

未来に帰る方法だけど死神が言うには天界があった研究所の次空間研究室にあるらしい。

それと結衣にはちゃんと幸せになってほしいからどっちかに見守っててほしいな〜なんて。

最後にアレイスター、天之川、二人に出会えて本当によかった。

俺は幸せ者だ、本当にありがとう。


   イケメンで強くて慕われているみんなのアイドル、神成聖夜より


P.S.この前アレイスターのプリンなくなったの天之川のせいにしたけどあれ実は俺が食いました。










最後の方の文は聖夜の涙でくしゃくしゃになっていた。


「……なんだよこれ、だから神成家の人間は嫌いだ。」


アレイスターは声を押し殺して泣いた。




アレイスターはひとしきり泣いたあと天之川を担ぎ、手紙に書かれていた消し飛んだ天界の近くに来た。


道中天之川が目を覚まし、手紙を読んだあと号泣していた。


あたりをよく見るとハッチがある。


「アレイスター、見て。」


「これは…………。」


そこは世界神ニヒトがいた場所である天界の研究所。


終焉竜のせいで建物はほとんど消え去ったが研究所とだけあって頑丈なのかここだけは存在した。


扉から中へ入ってみると世界神ニヒトの銅像と広い広いマップが書いてあった。


銅像を破壊してマップを見る。


「あ、ここだ。」


アレイスターは『次空間研究室』と言うところに目印をつけて歩き出した。




「ここが次空間研究室ですか。」


広い広い研究室の真ん中にポツンと少し大きめの機械が置いてある。


「すごい広い、それにここにある研究成果は本物だよ。」


以前時間を止める魔術を自らの力で編み出した研究家の天之川にとってここはまさに宝の宝庫だった。


アレイスターは近くにあったコンピューターと研究所の外に転がっていた死体から拝借したIDを使ってログインしてめぼしいものがないかを検索する。


「現在の並行世界数………683!?」


過去に何度も時間が操作されたのか並行世界がいくつも出ている。


まるで作者のパズドラのモンスターボックス並みにぐちゃぐちだ。




絞り込み、世界神・早乙女結衣


検索結果、26件



絞り込み、世界神・早乙女結衣/要因・アレイスター=カミナリ


検索結果6件



ソート、最新順




「あった……。」


これこそが正真正銘の三人がいた時間帯だ。


「天之川君!!ありまし……。」


時間だ。


天之川は出血多量のせいで倒れていた。


「まだ死んじゃダメだ!!もうすぐ、もうすぐで元の世界に帰れるんですよ!!!!」


アレイスターは天之川を担ぎ機械の側に行く。


「操作方法は……このレバーか?」


カプセルのようなものがあり、そこに人が一人乗れる空間がある。


「さぁ、まずは天之川君が乗ってくださ」


アレイスターが言い切る前に天之川は最後の力を振り絞ってアレイスターをカプセルに押し込んだ。


「……アレイスター、これ見てよ。」


天之川が指さした燃料タンクのメモリは1。


おそらくあと一回しか使えないと言うことだ。


「あけてください!!あと一回しか使えないなら尚更君が乗るべきだ!!!!」


「僕の命はもう長くはないよ。」


天之川はカプセルを必死にこじ開けようとするアレイスターに言い放った。


「開けろ天之川!!!!君が、君が生きなくちゃいけないんだ!!!!!」


「さようなら、アレイスター、聖夜。」


天之川はガチャンとレバーを下ろす。


するとアレイスターはカプセルごと一瞬で消えていった。


一人取り残された天之川は壁に背をついて倒れ込んだ。


「これで僕も終わりだ。」


天之川はかつて三人で撮った集合写真を懐から取り出す。


アレイスターはニッコリとピースを、天之川はアレイスターに肩車されており、聖夜は「魂が抜かれる!!」と言ってびびっている姿が写っている。


「……死にたくないよぉ。」


天之川は一人寂しく床で泣いた。


彼には涙を拭う右手はなかった。


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