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世界のためなら何度でも  作者: 社長
第七章、虚う神
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D-65 神器ラチョミー

おや、今の愛の力で私の奥底で何かが目覚めたみたいですね。」


『いやどちらかと言えば愛というより狂気を感じたが。』


「これが天之川くんの言っていた神器ってやつですか。」


アレイスターは虚神の言葉を無視して右手を横に広げる。


すると魔法陣が生成され、中からドリルのような神器が出てきた。


「これが私の神器、名前はラチョミーというのですね。」


アレイスターが神器に魔力を込めるとドリルの先端がぐわんぐわんと回り始める。


『ドリル……というのかその武器は。だが突き刺す武具では我のこの霧の体には刺さらんよ。』


虚神はメルトゥナドを両手で持つ。


「普通のドリルは確かに突き刺して硬い岩石などを砕く機械、ですがこれは神器だということをお忘れなく。」


ドリルはさらに回転を早くする。


チュインチュインと甲高い音が響き渡って行く。


その様子を見た虚神はひどく怯え出した。


『回転……まさか!!』


「わたあめって知ってます?」


アレイスターはパッと短距離転移魔術で虚神がいそうな場所(霧の体なので大まかな場所しかわからない)に瞬間移動し、ドリルを突き刺す。


ドリルの先端は空を切るがだがそれでいい、アレイスターの狙いはそこではないからだ。



「廻れ。」



ドリルの回転が近くの空気を巻き取り始める。


空気を、魔力を、神器ラチョミーは回転の力で巻き取り始めた。



ラチョミーはただのドリルではない。


なんとびっくり掃除機のような昨日までついており、周りの魔力や空気を使って使用者に供給したり自身のバッテリーの糧にしたり小さく圧縮してまとめたりすることができるのだ。


「さぁ、おしまいですよ!!」


『ぐぬぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』


体が霧になっていても所詮魔術であり、魔力を使って自分を霧にしているので有ればその相手から魔力を吸引すれば魔術が強制的に解除され、本当の姿が露わになるのだ。


霧が解けるとそこには男性女性どちらかわからない人型の生物が顔を出した。


アレイスターはすかさずワイヤーでぐるぐる巻きにし、身動きを取れないようにした。


『わ、我が破れるとは……。』


「この土壇場で力が覚醒したりするのも聖夜くんの……いや、ハニエルの影響なのでしょうか。」


『貴様ハニエルを知っておるのか?』


「そちらこそ知ってるんですか?」


『……しまった、口が滑ったな。』


虚神は素早くワイヤーをほどき、アレイスターが手に持っていた封印の石を自身に使う。


『敗北は認める、だが情報は喋らんぞ。くっふっふっふっふ。』


「くっ、このクソジジイめ。」


『だが、この情報にはすぐに辿り着くであろう。もう物語はすでに()()()()()()()()()()()()()。』


若干呆れた顔をするアレイスターにそう言い放ち、虚神は大人しく封印されていったのだ。

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